大乃国関と芝田山部屋

スイーツ親方で有名な第62代横綱大乃国関の紹介

現在、芝田山部屋の師匠を務めている第62代横綱大乃国関は、昭和37年10月生まれの54歳で、北海道出身だったこともあり、少年時代から野球や柔道などの夏季競技だけでなく、スキーやスケートなどの冬季競技まで熟すほどのスポーツ経験がありました。この中でもスキーは学年でもトップクラスを誇るほどの、柔道は県単位に相当する十勝支庁単位での大会で優勝するほどの実力を、それぞれ有していました。このような実績から、高校からスカウトが来て、進学を検討するほどでした。相撲は未経験ではあったものの、後に放駒部屋の師匠を務める元大関魁傑関の熱烈なスカウトを受けることを決意し、中学校卒業後に上京して元幕内大ノ海関が師匠を務める当時の花籠部屋に入門し、昭和53年春場所に初土俵を踏みました。

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大乃国関は小学校時代に往復で数時間の通学などで鍛えられた足腰がベースとなって花籠部屋に所属していた頃に四股やテッポウなどの、相撲の基本的な技術と生活ルールなどの身につけていき、魁傑関の内弟子としての入門だったため、入門して3年後に放駒部屋に転籍しました。部屋では稽古相手が少なかったため、第45代横綱若乃花関が師匠を務める二子山部屋に出稽古に行って、猛稽古を積むことで、右四つに組んでから寄り切る等の寄りと左からの上手投げを強みとして獲得し、放駒部屋の部屋頭として実力が開花するようになりました。そして転籍して1年後には関取の座を掴み、そこから丁度1年後の昭和58年春場所には新入幕を果たしました。幕内の土俵でも、この強みが活かされる形で番付を上げていき、半年後からは幕内上位の地位で相撲を取れるようになり、入幕した年の九州場所には昭和の大横綱として共に知られている三保ヶ関部屋所属の第55代横綱北の湖関、九重部屋所属の第58代横綱千代の富士関など3人から金星を上げたり、10勝を収めて三賞の1つである敢闘賞を獲得したりする大活躍を見せました。

それ以降は安定して関脇の地位に2年近く定着し、陥落した1場所でも二子山部屋所属の第59代横綱隆の里関から上げたり、殊勲賞と敢闘賞の三賞を複数回受賞したりする実績を残し、入門して7年半後の昭和60年名古屋場所後に22歳で大関に昇進しました。大関では怪我などの影響で昇進に時間がかかりましたが、2年後に15戦全勝での幕内最高優勝を含めて3場所で40勝の好成績を収めたことから第62代横綱に昇進することができました。横綱に昇進した後は、体重が200kgを超える巨漢であることからダイエット方法に苦労したり、睡眠時無呼吸症候群の症状に苦しめられたりして、芳しい成績を上げるのが難しく、特に昇進して2年後はほぼ1年にわたって靭帯を断裂したり、脛骨を骨折したりする大怪我のため休場してしまいました。そして蜂窩織炎で休場した翌場所の平成3年秋場所の途中で現役を引退しました。当時はまだ29歳になる前で、現役中に亡くなった片男波部屋所属の第51代横綱玉の海関を除けば3番目に若い記録となりました。ちなみに、この巨漢ぶりは周囲から肉の多い大乃国(にくのおおいおおのくに)と回文で揶揄されるほどでした。

それでも、横綱時代は昭和63年春場所に幕内最高優勝を果たしたり、千代の富士関の連勝を53で止めた昭和最後の大一番を制したりする活躍を見せました。

引退後は、大乃国のまま親方として活動をしていましたが、2年後に芝田山親方として放駒部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たりました。

大乃国関は現役時代から、甘い物好きであるという特徴があり、ケーキを自分で手作りして、弟子の元大勇武関が関取に昇進した際にプレゼントしたり、2ホール分は軽く平らげたりするほどである点や、力士のプロフィールなどで好きな食べ物としてあんみつや、金時豆や小豆などの豆類が生地に入っているうぐいすパンとあげている点から、格闘系の男子としては珍しい甘党であることが分かるのではないかと思います。この特徴を前面に出して、たびたびテレビなどでスイーツ関係のコーナーの際に出演したり、全国のスイーツを取り上げた本を出版したりするなどの活動を続けています。ちなみに、同様に格闘系のスポーツ選手で甘党を前面に出している人としてプロレスラーとして活躍している真壁選手などがいます。

元大乃国関が師匠を務める芝田山部屋とは

芝田山部屋は、大乃国関が引退して8年後の平成11年名古屋場所前に所属していた放駒部屋から独立して誕生させた部屋です。今から4年前には魁傑関が定年退職して放駒部屋を閉鎖することから、その部屋を吸収させて大きくなっています。

その芝田山部屋は杉並区高井戸の環八通りの近くに部屋を構えており、周辺には中央道の高井戸インターもあります。最寄り駅の京王井の頭線の高井戸駅のすぐ近くですが、そこから国技館へは少なくとも2回の乗り換えで約1時間かかるほどの少し遠い位置にあります。


出典: https://athleterecipe.com/column/1/articles/1730387

現在、芝田山部屋には十両まで上がった若乃島を始め、幕下4人、三段目4人、序二段3人の計11人の力士が所属しています。この他にも行司が1人、呼出が三段目格の克之を始め2人、床山が1等床山の床門の4人の裏方も寝食を共にし、さらに若者頭を務める元花ノ国関を含めて少なくとも18人が共同生活をしています。朝稽古の見学は後援会に入会しないと休日はできない仕組みになっており、平日の場合は事前に問い合わせればできる可能性があります。ちなみに本場所中の稽古見学もできないので注意が必要です。

スイートをはじめ食通で知られている大乃国関の部屋ということもあって、ちゃんこ鍋を一般に広めている活動が多くあり、半年ほど前には企業とコラボして大乃国関の地元北海道の秋鮭ときのこをたっぷり使った味噌ちゃんこ鍋を作る企画が行われたり、インターネットで大乃国関が監修している醤油味と塩味のちゃんこ鍋セットが市販されたりしており、後者を通じてちゃんこの味を楽しむことができます。