相撲観戦を楽しむための準備

大相撲は現在、前売りチケットが即完売するほどの盛況ぶりである

[舞の海秀平]のテレビでは言えない大相撲観戦の極意 (ポプラ新書)

報道などで、ご存知の方も多いと思いますが、今年の春場所は田子ノ浦部屋所属の稀勢の里関が第72代横綱に昇進し、日本人としては19年ぶりの新横綱誕生ということもあり、1ヶ月ほど前から販売される前売りチケットは販売数時間で完売になってしまうほどの盛況ぶりで、関西在住の私は毎年のごとく春場所を生で観戦し、休日のチケットを去年までは易々と取れていたものの、今年はパソコンで20分以上購入作業をしないと繋がらない状態になっており、初めて平日のチケットを買うことになってしまいました。ちなみに、この次の場所である夏場所でも同じように前売りチケットが販売して2時間ほどで完売になってしまった状況だったことから、この人気がそのまま東京に戻ってきた形になり、それ以降も似たような状況が続くと考えられることから、今回は春場所を例に、当日、満員の中でもスムーズに大相撲を観戦するために出来る準備などを中心に紹介したいと思います。

座席の予約の際は、座席の全体配置を考えて取ろう

春場所が開催されている大阪府立体育会館の場合は、正方形の形を取っていて、マスA席や椅子B席など同じ座席区分であれば、土俵までの距離がほぼ等しくなっている両国国技館と異なり、座席が東西方向に縮まっている構造になっており、同じ椅子席でも土俵までの距離が近い東西方向の値段は高く、最高位の椅子SS席は1万円ほどかかります。一方、リーズナブルで最前列を取れるのが椅子B席で、6000円弱で取ることができます。今回は、この椅子B席での観戦となりました。ちなみに、観戦するときは必ず、この椅子B席を注文しており、今回は正面2列目の真ん中部分を獲得しましたので、この位置は丁度、NHKなどのテレビ中継で大相撲を見るのと同じ方向での観戦となります。

また、椅子席を注文する際は東西方向のSS~A席にするのか、南北方向のB~C席にするのかで力士の見え方が変わってきます。前者の場合は先述したとおり、土俵からの距離は近いので、より臨場感が味わえる上、取り組みの際の手の動きや足の動きが見えやすく、テレビでは見えにくい上手を取ったか否かなどの手の動きをじっくりと見えて土俵展開をしっかりと見える可能性がありますが、力士の片方しか表情を見ることができず、もしご贔屓の力士がいて、見えない側から登場した場合は少々ガッカリするかもしれません。また、横綱土俵入りを際は横サイドから見ることになるので、ハッキリと見えない可能性もあります。逆に、後者の場合は土俵から遠い反面、力士の表情や横綱土俵入りの様子などを平等に見ることができ、西と東の位置を間違わなければ、今どの力士が取り組みをしているのかが判断しやすくなります。しかし、テレビと同じく奥側の手の動きや取り方などが見えづらいかもしれません。ちなみに、このような座席表になっているのは春場所だけでなく、7月に開催される名古屋場所も同じで、マス席は両国国技館と同じ構造になっているものの、椅子席では縮まっている東西方向がA席、広がっている正面・向正面方向がB席になっています。なお、自由席はB席の後ろに設けています。11月に開催される九州場所の場合は国技館と同じ配置になっているものの、椅子席はかなり後ろの列に設けられており、土俵までの距離が近い中央部分がA席で端になるほど安い席になるという特徴があるので、真中が苦手で端が好きな人の場合は最も安いものの、土俵までの距離が遠くなる自由席を当日に並んで購入するという手段もあるのではないかと思います。

さらにインターネットでチケットを購入する際は、一部で席を指定して予約するものもありますが、その場合は最前列より2列目をお勧めします。なぜなら、最前列では通路において常に観客やスタッフなどが通っているため、その影響で折角の取り組みが見られなくなってしまうリスクがあるからです。大抵の場合、座席が後ろになるほど高さが増えてくる仕組みなので、人の往来による影響が少なくなっていくことが多いです。桝席の場合も同じような構造になっているものの、勾配が椅子席ほどで大きくないので、観客の往来で取り組みが見えにくくなってしまう確率が高くなると考えられるので注意が必要です。

当日までに用意する持物について

当日までに準備するものとしては、椅子席の場合は、多少距離はあるので、双眼鏡は準備した方が良いと思います。同時にメガネをしている人は人に依りますが、メガネを仕舞うためのケースも持っていくとよいでしょう。勿論、売店などでおみあげや昼食などを買ったり、会場の府立体育会館まで行くまでの交通費を出したりするのでお金は必須です。このおみあげも予め、どのようなものがあるのかを可能であればインターネットなどで調べておいた方が良いかもしれません。とくに混雑する午後の時間帯は立ち止まって選んでいる余裕がない可能性があるからです。ちなみに、おみあげとして有名なものとしては、色紙やパンフレットなどの書類や、力士が書かれたクッキーやちゃんこ鍋の素等の食べ物、力士応援の際に用いるタオルや、歴代横綱の名前が書かれた湯呑みなどがあります。

また、会場を撮影するためのカメラやスマートフォンなども用意しても良いかもしれません。ただし、撮影マナーは守った上で撮影することをお勧めします。最寄り駅から会場までの行き方も不安ならば調べておいた方が良いと思います。会場に入った後は、春場所の場合だと、係りのスタッフさんが席まで案内してくれますので、それ以降は大丈夫です。ちなみに九州場所以外の場所に置いて、マス席を買って観戦する場合は、チケットに書かれている番号に該当するお茶屋さんと呼ばれている相撲案内所に行って手続きを終えると、出方さんいう担当者が席まで案内してくれますので同様です。

以上のような準備をしておけば当日混乱することなく相撲を満喫できるのではないかと思います。