ファミコンソフト体験記「ラサール石井のチャイルズクエスト」(ナムコ)

この作品は1989年にナムコから発売されました。芸能人のラサール石井さんの名前が出ていますが企画・開発には関与していません。同時期に発売されたゲームとしてはダウンタウン熱血物語(くにおくんシリーズ)やファミコンジャンプ英雄列伝などがあります。

このゲーム、評価自体は高くありませんがそこそこ有名です。それはラサール石井さんの名前が出ているから、というだけではなく、実は当時売り出し中だった磯野貴理子さんが登場しているのです。磯野さんはソフトのCMにも出演しています。当時はまだ19歳(という設定)でした。

このゲームのストーリーは、磯野さんたち3人組アイドルグループ「チャイルズ」のマネージャーがチャイルズを育て、有名にし、スターの殿堂でのコンサート開催・成功を目指すというものです。現実社会で考えたら地道な営業活動からスタートして・・・なんて想像しますが、そこはゲーム、勝手が違います。

 

次にゲームシステムについて説明します。このゲームは一般的に言われるRPGです。MAPを練り歩き、敵と戦闘し、キャラクターを強くしていきます。ただし、この頃有名だったRPGの多くは中世ヨーロッパを舞台としたファンタジーものが多かったため、この作品は異端的な扱いを受けました。MAPは日本。敵は普通の人(人じゃない敵もいます。例えば動物等)。攻撃方法は「ヨイショ」(笑)。魔法は「マほう」と記され、「マネージャーのほう」という設定です(よくわかりませんが、マネージャーとして重要な技能といったところでしょうか)。戦闘方法は先述のとおり「ヨイショ」ですので、相手の不愉快な気持ちを取り除き、チャイルズのファンにすることで勝利となります。従って、ヨイショをすると「よろしくお願いします!」や「いぬとおよびください」(笑)といった言葉で相手の心を動かし、逆に敵からは容赦ない言葉や茶々丸だしの言葉の他、チャイルズへのおさわり攻撃など、多彩です。おさわり攻撃等を受けることでチャイルズのフマンドというパラメータがあがり、最大値に達するとスタート地点に強制送還、後お説教が待っています。

RPGとしてはキャラクターゲームであることもあり、バランスに若干欠き、ストーリーも短めではありますが、実際に遊んでみるとなかなか面白い作品です。特に磯野さんである「きりこ」がフマンドMAXになり不満を爆発させるシーンに遭遇するとTVでの磯野さんをつい思い出してしまいがちなところもまた楽しみ方の一つではないでしょうか。