読書会という居場所

2019年8月22日

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読書というと、とてもインドアな趣味です。屋内で、一人で行う事で、すべてが済んでしまううえ、そのことに対して、外に向かって発信していくという行為もあまり行わない読書人が多いのではないでしょうか。私もその一人でした。

しかし、「本の事を語り合える仲間が欲しい」と数年前から考えるようになり、去年から読書界に参加するようになったのです。ここには、不特定多数の読書好きの方々がたくさん集まってきます。私が住んでいる場所は地方都市なので、手広く参加者を募って行う読書会は、これが初めてのようでした。日曜日の午前中に行われ、それぞれに好きな本を持ち寄り、その本を集まった人たちに紹介するという形の読書会です。

あまり、自分から積極的に本を人に勧めることをしない私にとっては、自分の好きな本について話せる場所が出来たのが嬉しくて、嬉しくてたまりませんでした。インターネットの影響もあり、三年前にこの会が発足した時は三人の参加者だったそうですが、今では、二十五人くらいが参加するようになっています。本の事を話す空間が出来たと同時に、本の好きな仲間が出来たことも大きな喜びでした。それと同時に、このような九州の地方都市でも、読書会という会を求めている人がこんなに多いのかと、驚きと同時に感動を覚えているところです。

また、この読書会の楽しい事のもう一つは、自分がなかなか手に取らない本を知ることが出来ることです。「へぇ、こんな本もあったんだ」という本も何冊も紹介してもらいました。

ただ、その本を買って読むかといえば、一冊あったか、ないかぐらいです。自分の好きな本を紹介するときは「みなさんも良かったら読んでみてください」という一言をつけくわえるのですが、おそらく読んでない人が多いでしょう。人それぞれ、好きな本のジャンルがあるでしょうから。だから、読書会に参加したことで、読書の傾向が大幅に変わるということもおそらくないのではないか、と思います。

それでも、この読書会は私にとって、大切な空間の一つになりました。これから先、ずっと続いて行ってほしいなと願ってやみません。