公立高校入試で逆転が難しい理由―内申点がどうしても

W03 神奈川県公立高校入試 面接対策

入試では、直前まで成績が振るわなかったのに、逆転合格を果たす子がいます。本当に偶然というケースもあります。しかし、志望校の傾向を念入りに分析して対策を行っていたケースなど、ある程度実力や努力が反映された「逆転」もあります。

ただ、逆転合格が成立するのは大学受験や中学受験が主です。高校受験でも私立高校なら可能性がそこそこありますが、公立高校入試では逆転が困難です。

なぜなら、公立高校入試では内申点が合否判定において総得点の半分程度を占めるケースが多いからです。コツコツと学校で勉強をしてきた子を評価する意味合いや、副教科軽視の姿勢をとらせない意味合いがあると考えられます。

結果として、公立高校入試においては逆転合格が困難です。都道府県によりますが、中1からの内申点が入試成績に反映されるところもあります。そのため、中学に入るとすぐに定期テスト対策目的で塾通いを始める子が少なくありません。

もちろん、中学入学直後は英語が本格的にスタートしたり、算数が数学に変わったりと、変化が大きいです。そのため、勉強についていけなくなる子が出やすいと言えます。塾を賢く使って、落ちこぼれないようにすることは良いことです。

しかし、塾に学校に部活にと、あれこれ忙しくしすぎることは果たして望ましいのでしょうか。中1段階ではまだまだ高校受験に対する意識が育っていない子も少なくありません。中3に入るあたりから熱心に勉強し、学力もしっかり上げたのにもかかわらず、1,2年の内申点が原因で希望の高校に入れない、という事実は少し酷なように思います。公立高校入試でも、もう少し逆転合格のチャンスを広げてあげられないのか、ぜひ検討してもらいたいところです。

具体的には、定員の一定割合を、内申点の比率が低い方式で選抜する方法が考えられます。この方法だと、内申点をコツコツ積み重ねる意義も残りますから、学校軽視にはならないのではないでしょうか。