生活する上で不可欠な塩とは

塩は幅広い用途で用いられる物質である

伯方の塩 1kg

まず、塩とは、どのようなものなのかを申し上げますと、NaClという化学式で書かれている塩化ナトリウムを多く含む物質であると定義されています。広義的にはナトリウム(Na)やマグネシウム(Mg)のような陽イオンになる物質と塩素(Cl)や炭酸(CO3)のような陰イオンになる物質が合体して作られるものとされており、塩化ナトリウムの他に塩化カルシウム(CaCl2)や炭酸ナトリウム(Na2CO3)などがあります。なので、料理などに用いられる塩は食用塩とも呼ばれており、塩は他にも炭酸ナトリウムなどとしてガラス製品や石けんにも含まれており、これ以外にも化学薬品や合成ゴムなどの製品から、融雪剤や動物の飼料などにも含まれていることがあるなど、用途が広いという特徴があります。このように用途が広い塩は全てを国内で賄いきれずに輸入に頼っている割合が高く、自給率は1割台しかありません。しかし、食用塩に限れば85%程度の自給率は確保されています。

以降は食用塩に関して記述します。

料理の基本材料の1つである塩は海水から得られる

塩は海水に多く含まれており、ここから塩を得るには海水をろ過させて不純物を取り除いてから、塩になる成分だけを通すイオン交換膜を通過させてから、濃縮させて作られることが多いです。また、海水をろ過させたり、蒸発させたりを繰り返して塊を得る形で作ることもできますが、これは醤油を蒸発させて塩を得る実験を化学の授業などで扱った人もいるかもしれませんが、この手法と同じです。ちなみにヨーロッパや北米などでは岩塩から食用の塩を手に入れる方法を取っていることが多いですが、この岩塩も元々は海だった土地が地殻変動などで地中に埋まった所に存在しているもので、作り方も、それを水に溶かしてから煮詰めて作られています。また、塩を作る工程で、かん水やにがりが得られますが、前者はラーメンなどの中華めんを作る際に用いられることが多く、後者は豆乳から豆腐を作る際に用いられることが多いです。

このような塩ですが、料理として使われていることが多い調味料の1つとであると言えると思います。なぜなら塩は味覚の五つの基本味とされている、甘味・酸味・塩味・苦味・旨味のうち、しょっぱい味であることが多い塩味を与える調味料であり、料理の調味料の基本である「さしすせそ」の「し」の部分を成すからです。ちなみに「さ」は砂糖、「す」はお酢、「せ」は醤油、「そ」は味噌を指すことが多いです。

塩は生きていくうえでなくてはならない物質である

料理の基本味を成す塩は、生きていくうえでも必要な物質です。たしかに過剰に塩を摂りすぎる高血圧や脳卒中などの重大な病気を引き起こすリスクが高まるとされていることから、1日の摂取量の上限を推奨している機関もあるぐらいです。しかし、塩が不足すると血液のバランスが乱れて痙攣などを引き起こす可能性もあります。夏場に汗をかいた時、水だけを飲むのでなく、経口補水液やスポーツドリンクなどを飲んだ方が良いとされているのは、この為であると考えられます。

このようなことから、昔から塩は重要な物質として扱われており、例えば給料で生活しているサラリーマンのサラリーは英語で塩を意味するsalt(ソルト)から派生しており、昔は給料として塩が与えられたことに由来していると考えられます。

また、日本でも塩にまつわる行事があります。大相撲では力士が取り組みをする前に塩を複数回まいていますが、これは塩が穢れを払って清める力があるとされていて、取り組む前に自分と土俵の中を清めてクリーンな状態で戦うという意図があるとされています。ちなみに力士が生活している相撲部屋で毎日の稽古が終わった後には土俵の真ん中に塩を盛ったり、本場所が始まる前に土俵の下に米などと共に塩も入れたりするなど、神事に基づいている競技である相撲の世界では塩に関わるしきたりが多い傾向となっています。