メニューの「塩味」は果たして本当にヘルシーなのか

塩ダレを構成する塩はどのように作られるのか

まず、塩ダレや塩味の素となる塩は、国内においては、海水をろ過させて不純物を取り除いてから、塩になる成分だけを通すイオン交換膜を通過させたのち、濃縮させて作られます。ちなみに半世紀ほど前までは塩田と呼ばれている海水を蒸発させるスペースにそれを引き込んで、それを蒸発させた後、釜で煮詰めて作られることが多かったです。

メニューの塩味はヘルシーなのは本当なのか

塩事業センター 食卓塩 100g

さて、大手チェーン店や駅の下などで見かけることがある焼き鳥店に入ってメニューを注文する際、味付けとして甘辛いことが多いタレの味を楽しめるタレにするか、塩にするかを迷う人もいるかもしれません。判断の基準の例として、例えば仕事終わりの夕食時に焼き鳥店に入り、「今日の昼にガッツリとカツ丼を食べすぎたからヘルシーな塩にしょう」と思って塩を注文する人も少なからずいると思います。塩だとシンプルに塩だけが掛けられているので、素材の味がしっかりと楽しむことができる上、タレが掛けられていない分だけカロリーも低いのでその通りではないかと思います。しかし、外食やスーパーなどに表記されている塩味が、このような塩だけが掛けられた味付けの物を指しているとは限りません。甘辛いソース味のタレのように塩ダレというオイルを含んだタレが掛けられたメニューが存在しており、例えば某弁当屋の塩唐揚げの場合だと、ガーリックオイルのタレが掛けられていました。このような場合だとカロリーも定番の醤油味の唐揚げとさほど変わらないことが多いです。スーパーなどで売っているレトルトのカップ焼きそばの中には大きさが若干小さいにもかかわらず、定番のソース焼きそばよりも塩焼きそばの方が、カロリーが高いものも存在していました。また、シンプルな味を期待して買った結果、ピリ辛で脂濃いものだったという経験も惣菜のチキンなどでしたことがあるので、今回は塩ダレと塩味についてふれてみたいと思います。

塩ダレの種類と具体的な料理

そもそも、塩ダレとは塩味をベースとしたタレであると定義されています。そこにはニンニクや唐辛子などの辛味をつけたり、ネギなどの香味野菜を入れたりするなど多くの種類の塩ダレが存在しています。また胡麻油やサラダ油のような油分が含まれていることが多く、基本的な塩ダレの原料は、要となる塩の他に日本酒などの酒・みりん・先述した油類で構成されており、ここに米酢などの酢や葱や生姜などの薬味が加えられる形になり、特に前者のパターンでは一般的なドレッシングの原料とほぼ同じであることから、塩ダレをキャベツなどの生野菜のサラダにかけて食べる方法もあります。

塩味をベースにしたタレに加える材料としては、先述したニンニクや唐辛子などのスパイス系の他にも、エビやイカなどの海鮮系やレモンやポン酢などの酸味系などが挙げられます。そして、これらの塩ダレを用いた料理としては、焼きそば、唐揚げ、焼き鳥などがあります。焼きそばや唐揚げの塩味の場合、これら3種類の味付けができたり、そのようなものが市販されているものがあったりして楽しむことができます。焼き鳥の場合は海鮮系の味付けは少ないですが、残りのスパイス系や酸味系の味付けが一般的で、これらを混ぜたタレも中にはあり、さっぱりとスパイシーな味が楽しめます。これは焼きそばや唐揚げでも同じです。さらに、このような味つけは鶏肉だけでなく、豚肉や牛肉とも相性が合うことがあり、ネギ塩ダレの牛丼やトンカツなどがあるほどです。ちなみに、ラーメンのスープでも、塩ラーメンの場合は基本の塩に、胡麻油・鶏がらスープ・ニンニクや胡椒などのスパイスなどから構成されていることが多く、塩ダレと似たような味になると考えられます。ちなみに基本的な塩ダレの原料のうち甘味を与える酒やみりんの割合を高めて作られたものを甘塩ダレと区別されることもあり、これらは鶏肉に特に合うとされています。

外食でメニューとして載っていたり、スーパーなどで売られたりする、これらの料理の定番とされているのは、焼きそばだとソース味、焼き鳥だとタレ、唐揚げだとニンニクや生姜などが入った醤油味であることが多く、これらは甘辛かピリ辛の味付けをベースにこってりとした感じになる傾向があるのに対し、塩ダレの場合は、スパイシーでさっぱりとした感じの味付けになることが多く、定番とされている味付けよりも重たい感じは少ないのではないかと思います。ただし、先述したとおり油が加えられていることが多いので、ボリュームはそれなりにある可能性があります。

ただ塩を振っただけのヘルシーなメニューは少ないことが多い

外食などで示す塩味が、先述したような、さっぱり感やスパイシー感などを楽しめる塩ダレを掛けた味付けの事を指すのか、ただ塩を振っただけで具材そのものを楽しめる味付けの事を指すのかが曖昧な所もあると思います。例えば焼き鳥の場合は店によってはメニューにどのような味付けなのかを示す説明文が書かれていることもあり、そのような場合は胡椒等のスパイスが追加されているのか否か等が判断できます。また、塩を振っただけのものと塩ダレに近い味付けのものの両方が用意されているところもあります。

塩焼きそばの場合だと、そもそも味付けが塩だけのことが少なく、大抵は塩ダレの焼きそばの事を指すか、鶏がらスープや一味唐辛子などのスパイス系を入れて作ることが多くなっています。これは塩ラーメンに対しても同様ではないかと思います。ちなみにスーパーなどの惣菜系などで市販されている塩味チキンや塩焼き鳥などの場合、メニュー名に旨塩など何かの名称がついている場合は塩ダレに近いような味付けがされていることが多いと考えられます。

そもそも味付けが塩だけで食べる料理自体は焼き鳥、塩豚、天ぷらなどで少ない傾向にあることから、塩味と書かれたメニューは塩ダレ等のタレがかけられているか、胡椒などのスパイスが加えられていることが多いと思われます。