ファミコンソフト体験記「ソンソン」
今回紹介するゲームはこちら、「ソンソン」です。この作品は1984年にカプコンがアーケードゲーム向けに作られたものを1986年にファミコン版に移植したものです。当時のカプコンはロックマンや魔界村等、多くの大ヒットゲームを発売しており、当時勢いのあったソフトメーカーでした。そんな中、開発され発売されたソフトがこの作品です。
まずはストーリーですが、西遊記を基にした作品というだけで、残念ながらそれ以外には特にないようです。その登場人物は前述のとおり西遊記をモチーフにしていることから、プレイヤー1として猿のソンソン、プレイヤー2として豚のトントンが登場します。タイトルのソンソンはこのプレイヤー1の猿のことで、孫悟空の孫という設定から略して孫孫(=ソンソン)となっているようです。気になる他の登場人物ですが、西遊記と言えば他にカッパの沙悟浄、お師匠様(=三蔵法師)、馬等がいますが、残念ながらこのゲームには登場しません。また、敵も地蔵だったりピラニアだったり蝙蝠だったりと世界観が全くといっていいほど西遊記とは違います。
次にゲームシステムですが、横スクロール型アクションゲームとなっています。スクロールは強制的に一定のスピードで行われています。縦に6段あるフィールドを移動しながら左右に動き、敵を翻弄しながら進みます。プレイヤーは弾で敵を倒しつつ先へ進みます。POW等のボーナスアイテムを取ることや敵を倒すことで点数を増やし、ハイスコアを狙います。この作品には隠れキャラクターとして「タケノコ」が存在しますが、これはメーカーのカプコンが当時人気のあったゼビウス(作:ナムコ)の隠れキャラクターである「ソル」のオマージュとして作られたとされています。またボーナスアイテムのPOWと弥七は当時のカプコンが別のゲームにも登場させており、世間への認知を進めるために共通キャラを設定するべきであるという戦略のもとで作られたものです。ナムコでいうスペシャルフラッグのようなものですね。
この作品のメインBGMには実は歌詞があり、取扱説明書に楽譜付きで掲載されています。
この作品は典型的なアクションゲームで非常にシンプルなものとなっていますが、難易度は当時としてはやや甘めでした。しかし、それでもなかなかの難易度です。まだ未プレイの方は一度プレイしてみてはいかがでしょうか?ただ、エンディングと呼べるものはなく、延々とループですが・・・。