ファミコンソフト体験記「ハイドライドスペシャル」
今回紹介するゲームはこちら、「ハイドライドスペシャル」です。
この作品は1986年にT&Eソフトが発売したものです。多くの人はこの作品がなぜスペシャルなのか、わからないと思います。まず、ハイドライドというシリーズ作品があることを皆さんはご存知でしょうか?この頃、多くのゲームに触れた方なら、「ああ、そういえばハイドライド3ってのがあったっけなぁ」となるかもしれません。ハイドライドシリーズはファミコンにも作品を出していましたが、多くはパソコン(MSX含む)の作品でした。ファミコン版のハイドライドスペシャルはハイドライド2を中心にアレンジされたものでしたが、元々はパソコン用に年齢層高めの客層を狙った作品であったのに対し、ファミコンは子供たち中心に売れていたこともあって、何のヒントもなく、急に始まるそのゲームスタイルはなかなか受け入れられず、当時はクソゲーとして評価されたという一面もあります。
さて、その気になるストーリーですが、このハイドライドシリーズは共通して、人と妖精が共存するフェアリーランドが舞台になっており、国の平和を保っていた3つの宝石の一つが悪者に奪われたことにより悪魔が覚醒し、王女が連れ去られたという話になっています。結構、王道な話ですね。他の作品だと町があったりしてもう少しストーリーが分かりやすくなっているのですが、この作品はスタート地点が平原のど真ん中、近くにダンジョン、墓場、森、地下洞窟等、人気が全くなく、会話なども一切ないため、ストーリーがさっぱりわかりません(笑)。取扱説明書に書かれているくらいでしょうか?(笑)
次にそのゲームシステムですが、アクティブロールプレイングゲームといえばいいのでしょうか。基本システムはRPGで、モンスターとの戦闘により経験値を積み重ね、レベルアップして強くなり、強い敵を倒せるようになることで進んでいきます。ただ、その戦闘方法はドラゴンクエストのようなコマンド式ではなく、アクションに近い形になっています。Aボタンを押すことで自機をディフェンスモードからアタックモードへ切り替えることができ、モンスターと接触することで攻撃したり、逆に攻撃されたりします。Aボタンを押し続けることでアタックモードを維持し、その状態で自機を敵に押し付け続けることでダメージを与え倒します。そのとき、敵の真正面から向かっていくと同時に敵から攻撃もくらうため、お互いHPの消耗戦になってしまいます。従って、戦闘は基本的の背後や横から行い、攻撃時以外はディフェンスモードにしてダメージを軽減させることが戦闘のコツになります。序盤で倒せる敵は限られていますが、得られる経験値が非常に少なく、最初の1~2レベルをあげるのに苦労した子供がどれほどいたか・・・。だいたいの子供はここで挫折すると思います。もちろん、接触しなければダメージは受けませんので、強い敵がいるところに潜入して宝箱を手に入れてきたり、MAPを偵察することは可能ですが、強い武器などが手に入るわけでもなく、ワンミスでゲームオーバーになるというデメリットから考えても攻略上あまり得策ではないですね。
このような作品ではありますが、コツコツと経験値を稼ぐ慎重派の方なら、十分楽しめる内容になっています。まだプレイしたことのない方は一度プレイしてみてはいかがでしょうか?