認知症でも生活基盤を確かなものにするために「認知症マネーまるわかりガイド」

2018年4月7日

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認知症や介護が必要となる高齢者は年々増え続けています。そのようななかで、どれだけの人が適切な情報を入手できているのでしょうか。漠然と介護保険であったり医療費が還付される制度があるといったことは知っているかもしれません。ただ、そういった制度をどのようにいつ活用したら良いのかは、なかなか分かりにくいところです。

様々な多数の課題が生じてくる高齢者の生活について、各分野のスペシャリストが各々の得意分野について説明しています。様々な分野の専門家達が高齢者のお金にまつわる問題をそれぞれの視点から説明しているので内容がとても分かりやすくなっています。そして、様々な角度からの解決策やポイントを事例も交えて
検討しています。

実際の問題として、病気になったときに治療費はどのくらいかかるのかということがあります。
まずは認知症の診断はどこの病院にいってやれば良いのか、いくらくらいかかるのか、その導入部分も不安に思う人が多いでしょう。認知症検査をしている病院は役所でも教えてくれますし、かかりつけ医がいれば相談してみるのも良いでしょう。全ての病院で行われているわけではないし、予約がかなり先になってしまうこともあるようです。それだけ需要があるということです。医療の制度では所得に応じた制限があります。高額療養費制度もあるので、それも役所での申請が必要になります。また、良く聞くのは医療費控除の確定申告です。医療費控除の確定申告はある程度馴染みがあり、自分でやったことがある人もいるかもしれません。きちんと還付される制度を知っていないと戻ってくるお金も戻ってきません。勝手に医療費が、かかりすぎているから戻しますよということもありません。情報の収集が必要になってきます。

そして、介護保険サービスの利用料はどうなっているのかですが、介護度によって利用料も変わってきます。介護度が重い人ほどお金はかかります。介護がそれだけ必要だということでしょう。利用できる制度も介護度によって、異なるものもあるので、ケアマネージャーとの相談が必要になります。ケアプランを立ててその人の介護度にあったサービスの提供があります。そのため、ケアマネージャー選びは慎重に行う必要があります。ケアマネージャーも人間です、それぞれの個性がありますので相性の良い人と出会い、一緒に生活を考えていくのがいいでしょう。

成年後見制度とはなにかということも良く言われますが、やはり認知機能の低下により、買わなくて良いものを買ってしまったり、訪問販売や電話での勧誘、様々な商法が世の中にはあります。全てが悪いわけではないですが、契約したくないものも契約してしまうこともあるので、きちんと後見人をつけて契約について本人だけでなく後見人の同意も必要であるようにしておいたほうが、あとあとのトラブルも減るでしょう。

在宅に限界を感じたら、最後まで在宅生活というのが理想かもしれませんが、住み替えも必要になってくる時期はあるでしょう。特別擁護老人ホームや認知症グループホーム、サービス付き高齢者住宅での安否確認と生活相談員がいるところなど様々な生活の場所はあります。

施設に入るにはお金も必要です。自宅を売却するのか、自宅を貸すのか、リバースモゲージを使うのか、そういった制度を知っておかないと金銭面でもどうしようもなくなってしまうことになるかもしれません。財産をどのように使って住居確保したら良いのかは、早いうちから、どのような方法が自分にあっているのか検討しておく必要がありそうです。

医療や介護に携わっている現場の声だけでなく、実際の認知症の家族の声もあるので、様々な立場からの気持ちが分かりやすくなっています。立場が違うとかんがえかたや感じ方も違ってきます。もちろん、スペシャリストのアドバイスも大切ですが、実際の家族の声が自分自身で介護をしている人とはリンクしやすいのかもしれません。様々な情報があるので今できることをやっておくこと、情報収集の大切さを教えてくれる一冊です。