「だけ」じゃない。キヤノンから小型プロジェクターM-i1登場

キヤノンのM-i1情報ページ

 

少しずつ動きが出始めているガジェット系のジャンルの一つにバッテリー駆動可能な超小型プロジェクターがあります。

手のひらサイズで鞄などにもするっと収まり、出先での簡易プレゼンなどにも利用できそうな面白い機材です。このジャンルでより低価格を指向して一般ユーザー向けを狙ったと思われる製品も増えてきました。

そんなジャンルにキヤノンも参戦するようです。

10cm角で薄型の本体を実現し、価格も3万円程度のかなり戦略的と思えるお値段を実現する「M-i1」です。

この価格帯としては比較的高解像度

M-i1は854 x 480ドットと、低価格帯の超小型プロジェクターとしては比較的高解像度を実現した製品です。

投影用のディスプレイパネルにはDMDパネル1枚を搭載しています。

プロジェクターとしてはいわゆるDLPと呼ばれるタイプのもので、非常に優れたコントラスト特性を持つのが特徴です。

その代わり一般にDMD方式のプロジェクターでは色の再現を時分割方式、簡単にいうと目の残像を利用した表現を行なっていますので、表示を見ている途中で素早く視線を移動すると色がRGBの三原色に分離して見えてしまう弱点があります。(カラーブレーキング)

この製品では、使い方や投影可能なサイズなどを考えると、この弱点が問題になるケースは少なそうではあります。

キヤノンらしくカメラとの連携を提案

M-i1は撮影した写真をみんなで楽しむ、といった使い方をある程度指向した製品になっています。

Wi-Fi機能を搭載したカメラとの連携機能を搭載したり、本体内蔵のストレージやUSBメモリ経由で写真などを読み込んで表示することが出来るようになっています。

光源はLEDで明るさは最大70ルーメンとかなり控えめですから、明かりを落とした部屋で夜間に利用するのが適当な使い方になりそうです。

最大84型相当の投影が可能ではありますが、部屋が真っ暗で真っ白な壁や専用スクリーンを用意できないと、投影の明るさ的には少々厳しいものになるでしょう。

撮影した写真をみんなで共有して楽しむ、というのはやはりとても楽しいものですから、写真の新しい楽しみ方として広がっていくかもしれません。

M-i1ならば小さく薄い本体ですので、ちょっと鞄に忍ばせて旅行に持って行く、なんてことも簡単にできます。

内蔵バッテリーで2時間稼働しますし、USBコネクタからの給電で内蔵バッテリーの充電が出来ますから、スマートフォンなどの充電器の流用も可能ですね。

プロジェクターだけじゃない

M-i1が単体でカメラとの連携を可能にいている理由の一つは、汎用OSのAndroidを搭載したスタンドアロンなデバイスになっているからでもあります。

ネット接続環境さえあれば、一般的なAndroidOS搭載スマートフォンなどのようにアプリをインストールして活用したり、Webブラウザを使ってネットから情報を集めたりすることも出来るようになっています。

投影可能な壁さえあれば、M-i1が汎用コンピュータ的に動けるようになっている訳です。

M-i1の背中部分にはタッチパッドも内蔵していますので、こちらを使って普通にAndroidOSの操作ができる仕組みです。

ただ、本体が高機能な分なのか、有線でのHDMI接続端子などは省かれています。

Miracast機能もまだ十分なバリデーションが行なわれていないのか、Windows系のPCとの接続が保証されていません。Android系の画面ミラーリングが可能となっていますので、論理的には接続が出来るはずなのですが。

このあたりはファームウェアのアップデートなどで改善してもらいたい点ですね。

ただ、M-i1がAndroid端末である、と言うことを利用すれば、Wi-Fi環境のある場所なら色々な解決方法も考えられそうではあります。

そういったことを色々工夫すること自体を楽しめそうなデバイスでもありますね。