プラス振動で深まる臨場感。ソニーの首かけスピーカーSRS-WS1

ソニー SONY ウェラブルネックスピーカー テレビ/映画/ゲーム用スピーカー 音連動バイブレーション機能付き 2017年モデル SRS-WS1

人間の五感はそれぞれがかなり密にリンクしていて、他の感覚に影響を及ぼし合っています。

多くの場合、他の感覚とうまくマッチングが取れれば、臨場感などの体験がより豊かになるよう補完をしてくれるイメージになります。

最新の映画館の4DXシアターなどはそれをうまく使った例の一つかもしれません。

そのコンセプトを使ったユニークなスピーカーがソニーから発売されました。「振動」を使って臨場感を増そうというコンセプトのワイヤレススピーカー「SRS-SW1」です。

一見オーバーヘッド型ヘッドフォンのような形

SRS-SW1は一見すると、ちょっと変な形のオーバーヘッド型ヘッドフォン?と勘違いされそうな形状になっています。

イヤーパッド部が縦に長い形のヘッドフォンのような形ですね。

このバンド部分を首にかけ、スピーカー本体が顔の下に来るよう首にかけるというか肩に載せるというか、そういった今までにない形で利用するスピーカーになります。

手元スピーカーの進化形?

これに近いコンセプトの製品としては、テレビの音などが聴きにくいケースを補完するために、ワイヤレスでさまざまな機器の音を飛ばす「手元スピーカー」という製品がありました。

SRS-SW1もこれに近い製品構成になります。

TVなどの側にベースユニットを設置して、アナログの音声ケーブルや光デジタルケーブルで音を聞きたい機材と接続。ベースユニットから2.4GHz帯の電波を利用して音声信号を飛ばし、首掛け型の手元のスピーカーユニットで受信して音の再生を行なう形になります。

ここまでだと、ただ単にスピーカーユニットの形状がユニークなだけ、と言う形になりそうな製品です。

実際、振動が効果的に働かないタイプのコンテンツでは、かなり耳の側で鳴ってくれる聞きやすい手元スピーカー、的な再生に落ち着くようです。

振動が効果的に混じることで臨場感が一気に増す

SRS-SW1が単なる手元スピーカに留まらないところは、低音のボリュームによってスピーカーユニットが振動し、それを直接音を聴くユーザーの身体に届けることが出来ることです。

実際の演奏を生で聴いてみたりするとよく分かることですが、「腹に響く重低音」といった振動を感じることが、演奏の迫力を一気に増してくれます。

映像コンテンツなどを視聴する場合にも同様の効果がある訳で、SRS-SW1では低音を耳からだけではなく触感からも感じさせることで、いっそう高い臨場感を体験できる仕組みになっている訳です。

実際、SRS-SW1が搭載するスピーカーユニットは30mm径のフルレンジのもので、筐体もさほど大きくはないことから、どれだけ音響回路を頑張ったとしても真の重低音の再生は出来ません。

そんなスピーカーでも重低音を感じさせる仕組みとして、振動をうまく活用している製品になっていると思います。

スペック的には普通のステレオスピーカー

SRS-SW1はごく普通のステレオスピーカーとなっていて、最近流行のバーチャルサラウンド機能は持っていません。

デジタルな音のデータの入力は16bit/48kHzのステレオのリニアPCMまでの対応で、ハイレゾなどには対応しません。

純粋な音質面を追求する製品ではありませんので妥当なところかなと思います。

耳のそばで鳴ってくれるますので、周りに迷惑をかけるほど大きなボリュームにすることなくある程度の迫力と臨場感を感じられるようになります。このため、夜中に映画などの鑑賞を行なうには適切なシステムになってくれそうです。

普通に手元スピーカーとして利用するのもありかもしれません。

ただ、お値段が2万5千円程度としっかりしたAV製品としては普通とは言え、決してお手軽価格ではありませんので、導入のハードルはちょっと高め。そのあたりはちょっと頭を悩ませるところになるかもしれませんね。