意外と苦手な方も多い「人参」の優れた美容&健康パワー
緑黄色野菜の代名詞的存在である「人参」はセリ科の1年生または2年生根菜です。西アジアが原産国となっており、日本へ人参が伝わったのは16世紀頃と言われています。
人参は寒冷地を好むため、北海道や千葉県、徳島県の3つの都市を中心に生産されています。夏の初めに出回る人参は徳島県産、秋は北海道産、冬は千葉県産と季節や気候に応じて生産されているのが人参の特徴です。
人参といえば、カレーの具材やステーキなどの付け合せとして用いられていますが、定番の人参である五寸人参をはじめ、真っ赤な色彩を持つ金時ニンジンやミニサイズの可愛らしいミニキャロット、面妖な雰囲気を漂わせる紫人参など多数存在します。
初めて人参が日本へ伝来した際は、京人参や大阪人参という名で親しまれている金時人参が主流でした。その後、西洋の文化が日本へ伝わると同時に栽培が簡単に行え、カロテンの含有量の多い五寸人参が栽培されるようになりました。
東洋人参は、現在関西地方の一部でひっそりと栽培されており、お正月などのおめでたい席で活躍しています。
そんな人参ですが、意外と苦手な方も多く、カレーやきんぴらごぼう、ステーキやハンバーグの付け合せで登場しても避けられてしまいます。
しかし、人参には美容と健康に絶大な効果を持つ食材ですので、是非積極的に摂取して頂きたい食材の1つです。
では、人参の持つ優れた効果や効能とはどのようなものなのでしょうか。
人参に秘められた健康&美容パワーとは?
人参といえば、緑黄色野菜の代名詞とも言える野菜の1つです。
特に人参にはカロテンがたっぷり含有されており、ビタミンAに換算すると人参100gあたり4100IUも含まれており、これは成人男性が1日に摂取しなければならないビタミンAのおよそ2倍の量と言われています。
しかし、人参に含まれるカロテンは生で摂取するよりも油で炒めたり、煮込むもしくは茹でる方が体内での吸収力が向上するので、人参は加熱してから召し上がるようにしましょう。
また、人参のカロテンは果肉よりも表皮に含まれているので、人参を召し上がる際は皮付きのまま使用するのがオススメです!
カロテンには、夜間の視力維持の他にお肌や粘膜を正常に保ち、艶のある美しい毛髪を維持する効能があるので、積極的に摂取したい栄養素です。
人参にはカロテン以外にも、ビタミンB1・B2、そしてビタミンCが僅かながら含有されており、一方、カリウムやリン、鉄などのミネラル類は豊富に含有されています。
カリウムには体内に存在する余分な塩分を体外に排出する働きがあり、血液の塩分濃度を正常に保つことが出来るので、血圧を安定させることが可能です。さらに、食物繊維には体内の有害物質や老廃物を体外へ排泄する効能があるので、便秘を解消することが出来るうえ、抗酸化作用を有するクマリンと呼ばれる成分が含有されているので、活性酸素を除去し、代謝の促進やリンパ及び静脈の流れを正常に保つ働きがあります。
スーパーやデパートなどで販売されている人参の多くは、オレンジ色の根の部分のみとなっていますが、人参は葉の部分にも豊富な栄養素がぎっしり詰まっているので、おひたしや炒め物などにして、人参の根と共に摂取することをオススメします。
ちなみに金時人参の鮮やかな色彩はリコピンという色素で演出されており、カロテンの1種ではありますが、体内に摂取されてもビタミンAには変換されません。ですが、リコピン自身に活性酸素を除去する能力があるので、カロテンやビタミンEよりも優れた栄養素と言えます。
人参を摂取する際の注意点とは?
優れた効果や効能を持つ人参ですが、1点気を付けなければならないことがあります。
それは、人参にはアスコルビナーゼという酵素が含まれており、この酵素の力によってL-アスコルビン酸(ビタミンC)を破壊してしまう可能性があります。
人参は加熱料理した方が良いと前述しましたが、その理由は生の状態の人参を摂取してしまうと、ビタミンCを破壊するアスコルビナーゼを体内に摂取してしまうからです。
ですが、近年の研究によって生の状態の人参を摂取してもビタミンCが破壊されない方法が発見されたのです。
アスコルビナーゼは、熱と酸に弱いという特性があります。そのため、生の状態で人参を摂取する際は、お酢を少量加えて召し上がることでビタミンCを破壊せず、体内に摂取することが可能となっています。
しかし、人参を生の状態ですり潰したり、長時間空気に触れさせるとアルコルビナーゼが増加するので、スムージーや紅葉おろしを作る際は酸を含む柑橘系と共に作ることを推奨します。
人参が苦手だなという方は、バターで炒めると人参独特の香りが抑えられるので、是非1度お試しください。
10月から11月に旬を迎える人参を食べて、紫外線によってダメージを受けた毛髪を艶やかにし、美しく健康的な人生を歩んでみませんか?