メカニカルでエルゴノミック。ユニークなキーボード「X-Bows」登場へ
またまたクラウドファンディングのKickstarterからユニークなキーボードが登場しそうです。
メカニカルキースイッチを採用しつつ、エルゴノミックデザインのキー配置を実現した「X-Bows」です。
今回はこの製品を取り上げつつ、キーボードにおける人間工学的な考え方に簡単に触れてみます。
X-Bowsのキー配列
X-Bowsはこの手の製品に良くあるパターンで、今回も英語配列、ASCII配列準拠のキーボードとなっています。
キー配列は左右それぞれの手の守備範囲のキーが、キーボードの手前側の隅から扇形に広がるようなイメージで配置されています。
これは両手をキーボードに置いたときに、手首の角度がより自然になるのがこのような配置だから、というのがこういったキーの配置理由です。
一般的にキーをこの配置にすると、左右両側のキーの間にすき間が出来ますが、X-Bowsではこのすき間にEnterキー、バックスペースキー、シフトキー、Ctrlキーを配置して、これらのキーを小指で押さなくても済むプラスαの一工夫をしています。
これによりさらに手の負担を軽くする方向ですね。
一般的なキーボードからの移行をスムーズにするために、比較的一般的と言える位置にもこれらと同じキーが配置されています。
X-Bowsでは人間工学的な考え方を持ち込んだキーボードとしては、キーをうまくコンパクトに配列していて、比較的設置面積が小さくて済むキーボードに仕上がっているのも特徴の一つでしょう。
やや縦方向(奥行き方向)が長めですが、横方向は一般的なテンキーレスキーボードと同等のサイズのようです。
キースイッチはメカニカルスイッチ
X-BowsではキースイッチにはGateron製のメカニカルスイッチを採用しています。有名なCherryMXのものではありませんが、同様に軸の色の違いでキータッチの異なる4種類が選択出来るようです。
赤軸はクリック音がなく奥に行くに従いリニアに反発力が強まるタイプで、押し圧は軽めの45gf。
青軸は明確なクリック音があるタイプで押し圧は55gf。
黒軸は赤軸と同じようにクリック音がなく押し圧がリニアに上昇するタイプで、やや重めの50gf。
茶軸は青軸と同じクリック音のあるタイプで、押し圧は軽めの45gfとなっています。
フレームレスでRGBバックライトあり
X-Bowsはフレームを廃したちょっと未来感のあるフォルムのキーボードです。
加えてゲーミングキーボードのように、恐らく自由に色を決められるRGBバックライトを備えています。
暗めの室内で使うと、なかなか楽しそうなギミックですね。
パソコンなどと接続するためのコネクタはUSB Type-C形状。Type-Aへの変換コネクタも付属するようです。
また、Nキーロールオーバーにも対応できるようで、ゲーミングキーボードとしても活用できるかもしれません。
エルゴノミックキーボードの意味
一般的にエルゴノミックキーボード、人間工学的配慮のあるキーボードとは、多くの場合右手、左手の守備範囲のキーを左右に分けるようなカタチでハの字に配置した製品が多くなっています。
これは、キーボードの幅が人間の肩幅よりも狭いため、自然に手を配置すると手のひらも内側に向くカタチでハの字になるから、という所をよりどころにしています。
一般的なカタチのキーボードだと、タイプの際に指をホームポジションに置くには、少し手首を外に開くカタチで曲げないといけません。これが疲労の一因とも考えられています。
そこで手首のこの無理をなくそうというのが、キー自体の配列をハの字に開いたキーボード、ということですね。
さらに言うと、本当はアルファベットの配列で一般的なQWERTY配列もひらかなのJIS配列も、恐らく長文を入力する際の文字の出現頻度などはほぼ考えられていません。
本来ならばできるだけ右手と左手を交互に使えるような配列になるのが理想のはずですが、今のキー配列はそうはなっていないと思います。
長く使われてきたのでみんなそれになれてしまった、というだけですね。
本当にそこまで人間工学的に考えるのならば、キー配列から見直すのが本筋かもしれません。いくつもそれにもトライしたキーボード、キー配列もありましたが、結局は普及は限定的でした。
人間が慣れでかなりの部分を解決出来てしまう、という部分が大きそうですね。