ソニー、集音器市場に参戦!独自ノウハウをつぎ込んだ高機能機SMR-10登場へ
ソニーがある意味「まさか」の集音器市場に参戦します。
このジャンルにオーディオ系のスキルを持つメーカーが参戦しているのは、今まではパイオニアブランドだけだったかもしれません。
どちらかというと医療機器メーカー側からの動きが多く、オーディオのノウハウを持つメーカーはあまり動きを見せていなかったジャンルだと思います。
今回はソニーがもつ独自技術満載の集音器SMR-10を取り上げます。
外見はネックバンド式イヤフォンそのもの
集音器や補聴器を使う場合にその外見を気にするユーザーもある程度の数存在するようです。見た目的にどうしても老け込んだ感じを演出してしまうのを嫌うのだと思います。
今回取り上げるSMR-10はそのあたりを逆手に取ったルックス、といえるかもしれません。
最近製品数の増えてきた、もっぱら音楽を聴くためのネックバンドタイプのワイヤレスイヤフォンにしか見えない形をしているからです。ソニー製のネックバンドタイプイヤフォンと外側はそっくりです。
つまりSMR-10は「あえて存在を見せる」タイプの製品と言えるでしょう。装着してかっこよく見えるデザインが施されています。
ただ、逆に知り合いと会話を楽しむときなどには、利用時に音楽を聴いているんじゃなくて「これは集音器なの」と知らせる必要があるケースも出てくるかもしれませんね。
中身は最新ノウハウの塊
SMR-10がソニーらしさを発揮しまくっているのが、その中身につぎ込まれたテクノロジーとノウハウの数々です。
ソニーのオーディオ技術、特にノイズキャンセリング機能に関するノウハウがふんだんに盛り込まれているように見えます。
外部の音は左右のイヤーピースに内蔵されたマイクから拾いますので、きちんとステレオ音声で聞えるはずです。マイクをイヤーピースに内蔵したことで、集音器を耳に付けたまま電話が出来るようにもなっています。
また、聞こえてくる音は人の声を大きくしつつ、騒音のレベルを下げるよう調整が行なわれます。ノイズキャンセリング機能のノウハウの賜物ですね。
ボリュームを上げた際にはできるだけ人の声だけが大きくなるよう、ブーストする周波数帯域にも調整が入ります。
家庭用ビデオカメラのハンディーカム向けに開発された技術である、「マイボイスキャンセリング」も搭載されます。
左右のイヤーピースに内蔵されたマイクからの音声を分析して、聞えている声が自分のものか他の人のものかを判別して自分の声をあまり増幅せず、違和感の少ない聞こえを実現しています。
使用開始時に使う人に合わせたカスタマイズが行なわれる
SMR-10では最初に使うときに利用者に合わせたカスタマイズが行なわれる仕組みも採用しています。
左右の耳の周波数特性や左右の耳の音の聞こえのバランスを測定して、これらの補正をSMR-10側が行なってくれます。
また、使い勝手面ではネックバンド部の内側に配したボタンなどに大きな文字の日本語で機能が記されていて、利用するユーザー層を意識した作りが行なわれています。
テレビ音声を聞く手元スピーカーとしても使える
専用の充電台を併用すると、テレビの音を手元で聞えやすくする「手元スピーカー」の機能も使えるようになります。
充電台にテレビの音声を入力してやることで、ワイヤレスでSMR-10からテレビの音が出ます。ネックバンド部に内蔵した小型スピーカーから音を出したり、イヤフォン部から音を聴くことももちろん出来ます。
音の遅延を小さくして、テレビを見ているときの違和感を抑える工夫もなされています。
SMR-10ではやはりソニーお得意の省電力技術も活かされていて、集音機能をイヤフォンで使う際にはフル充電から24時間連続で利用可能となっています。
ただ、高機能な分SMR-10の価格は集音器としてはかなり高め。35,000円程度での販売が予想されています。