『チャイルドプア』と『ドキュメント高校中退』
私は、格差や貧困、労働問題について書いた本をよく読みます。その中でも、ここ近年子供の貧困がマスコミでも話題になることがありますので、その本を紹介したいと思います。
一冊目は『チャイルドプア』という本です。この本を読んで「親の貧困で、ここまで子供が追いつめられているのか」ということを切実に感じました。親の借金で、中には小学校に二年間もいけない子供も出ていました。
けど、だからといって、その子達は親を恨むことなく生活をしています。
しかも、そのなかでこんな感動する事も書かれていました。筆者が取材に答えてくれたお礼に、コンビニで何か好きな物を買ってあげようとしたところ、その子は小分けにした飴とペットボトルのジュースを買っただけだったのです。筆者がどうして飴を選んだのかと聞くと「(低所得者のための無償の)学習教室の人たちに配りたい。お世話になっているから」と言ったのです。この部分を読んだときに、私は感動すると同時に、大人の身勝手さみたいなのを感じてしまいました。子供が経済的につらい状況になっているのは、この子達のせいではないのに、恨むことも無く、こんな純粋な気持ちを持ってるんだと思ったのです。
そして、もう一冊は『ドキュメント高校中退』という本。この本は、都会の低偏差値の高校を中退していく男女を取材しています。著者は違うものの、「『チャイルドプア』に出てくる子達の数年後の姿かもしれない」と思わせるような内容です。私は今まで、高校中退というと、「いい加減な子たちのすること」と思い、「自己責任だよ。苦労しても仕方ない」と思っていました。
しかし、これを読むと、その子達が、幼少期にどんな家庭環境の中で育ったか、どんな育てられ方をしていたのかということをこの本で知ると、つらい気持ちになります。世間でも、「親の所得と子供の成績は大きな関係がある」と言われていますが、この本を読むとその姿がはっきりと見えてきます。
この二冊は今現在の世間の状況を知るのにとても大事な二冊だと思います。