睡眠をガジェットでサポートするという新しい発想。ボーズの安眠サポートイヤフォン
Bose noise-masking sleepbudsのプロジェクトページ
睡眠の重要性をここで改めて書く必要もないと思います。
特に質の高い睡眠は次の日の生活の質を高めるだけでなく、長期的には健康面に大きな良い影響をもたらしてくれる可能性があります。
著者はうつ病からの睡眠障害の最凶クラスのコンボで一度生活が破綻しました。著者の場合にはその過程では結果的に、うつ病自体よりも併発した睡眠障害の方が生活への影響が大きかったです。
これはちょっと極端な例としても、睡眠の質の低下が色々な面に悪影響を及ぼすシーンはたくさんあります。
このような現代人の悩みを受けてか、ボーズが睡眠の質をデジタルガジェットで改善しようという、ちょっとユニークなデバイスをクラウドファンディングを活用する形で開発することになりました。
今までにあった睡眠サポートグッズとはちょっと視点の異なる、面白いアプローチになっていると思います。
今回はボーズの安眠サポートイヤフォン、「Bose noise-masking sleepbuds」を取り上げます。
製品化は決定済み
Bose noise-masking sleepbudsの資金調達プロジェクトは、海外のクラウドファンディング、Indiegogoを使って行なわれました。
既にプロジェクトは成功裏に完結していますが、集まった資金が目標金額を遙かに上回る900%の達成率を成し遂げてしまいました。
出資額はいわゆる「Super Early Bird」枠でも150ドルと決して安くはありません。ついでに恐らくこの製品は睡眠サポートの単機能製品で、完全ワイヤレスイヤフォンの形をしてはいますが音楽のリスニング用には使えないと思います。
そういった製品にこれだけ注目が集まるというのは、それだけ睡眠に悩む人の数が多いということの裏返しなのかもしれません。
ノイズキャンセリングイヤフォンではない??
ボーズというとソニーと並びノイズキャンセル機能を備えたイヤフォン、ヘッドフォンの開発に積極的なメーカーです。Quiet Comfortシリーズは高性能なノイズキャンセリングヘッドフォンの代表格の一つです。
ですが今回ご紹介するBose noise-masking sleepbudsはアクティブなノイズキャンセル機能を搭載した機種ではなさそう。
プロジェクトの説明内容を見ると、「パッシブ」に外部の音を遮断して、睡眠を妨げそうな騒音を「マスク」できるような音を流す、といった表現がされています。
それぞれユーザーにも依存する部分ですが、眠りにつきにくいときには完全に静かなよりも逆に少し何らかの音があった方が良いことがあります。
静かすぎると自分の身体が出す音が逆に気になってしまったり、気になり出すと気持ちが逆に高ぶってしまって、眠りにはいりにくくなりがちです。
また、何らかの音があると良い、とはいっても聞こえてくる音に注意が行ってしまうようなタイプの音だと、やはり脳みそが逆に覚醒してしまいます。
音楽などを聴きながら眠る場合にも、すっかり聴き慣れて自然に「聞き流せる」レベルになっていないと逆効果になってしまうことが多々あります。
こういったことを防ぐため、Bose noise-masking sleepbudsでは水の流れる音などの、集中して「耳を澄ます」ことがしにくい自然な音を外界の音をマスクするための音に選んでいるようです。
形は完全ワイヤレスイヤフォン。コントロールはスマホから
Bose noise-masking sleepbudsの形はバッチリそのまま、完全ワイヤレスイヤフォンそのものの形状です。寝ている間に外れにくいように、柔軟性のあるガイドが付けられています。
耳栓的な性能を上げるための工夫もイヤーチップに行なわれています。
さまざまなコントロールはスマートフォンに専用アプリをインストールしてリンクすることで行なう、というのが現代的なデジタルガジェットならではの機能ですね。
フル充電を行なえば、2晩続けて使用することが出来るバッテリーの容量があります。充電はやはり完全ワイヤレスイヤフォンの流儀で、専用ケースに戻すことで行える仕様です。
クラウドファンディングのプロジェクトは終了していてそちら経由で製品を受け取ることは出来ませんが、一般向けの製品化も決まっています。通常の経路での販売は2018年後半からになります。
睡眠に悩みを抱える方は、検討する価値のあるデバイスかもしれません。