【島田紳助】お笑いの教科書 特別講義の要点まとめ

島田紳助さんの講義動画はネットで有名であり、たまに動画を目にすることがあります。以前YouTuberのヒカルさんの超絶トーク動画のまとめ記事を書きました。彼は島田紳助さんに影響を受けており、ヒカルさんのトークもすごいと思いますが、その原点の島田紳助さんのトークも以下の動画を見れば能力が分かると思います。

今回は、その動画の要点をまとめました。この動画の中で、「頭で記憶するのではなく、心で記憶する」という話が出てきます。彼の話を聞き、メモを取っていた若手芸人がいましたが、「メモらないほうがいい」と注意を受けていました。この記事でも、細かくメモをしていくというより、筆者が心で記憶したことをピックアップしてまとめていきます。

 

島田紳助 お笑いの教科書 特別講義

努力の方法

どの分野でも人間は才能が重要であり、才能を5段階に分けて考えます。天才は才能が5であり、凡才は才能が1という感じです。また、努力も1~5に分けられ、その掛け算で、能力が決まると言います。3の才能と3の努力なら、9の能力になるということです。自分の才能と、自分の努力量の見極めが重要になってきます。

また、次に「X(自分の能力)」と「Y(社会の流れ)」の二つを理解するという話があります。いくらXがあっても、Yと関係ないことをやっていては売れません。一発屋の人はずっと同じことをやっているのに、なぜか一時期ヒットします。それは、その人のXがたまたまYと重なったから、ということだそうです。XとY、つまり自分の笑いと社会の需要の両方が分かることで、笑いで成功するか失敗するか決まってくるようです。

 

脳ではなく、心で記憶

この講義の重要な話の一つが「心で記憶する」というものでした。この「心で記憶」というのは、今回の講義だけでなく、松本人志さんとのコラボ番組である「松紳」などでもよく出てくる紳助さんの持ち前の話です。

聴講生の一人がメモをしていたところ、「メモる必要はない」と紳助さんは言っていました。メモというのは頭で記憶していることになります。学生時代のテスト勉強なども全て頭で記憶していました。すると、その記憶は短期記憶となり、今となっては全く思い出すことができず、あまり価値がなくなってしまいます。しかし、大切な思い出や、感情に深く結びついた「心で記憶」したことは鮮明に思い出すことができます。トークをする際にも、心で記憶したことを元に話せば相手に強く伝わります。

チュートリアルのM-1での漫才は、徳井さんが感情的になって暴走するものですが、紳助さんは心で漫才をしていると言っていました。台本通りに機械的にやるのではなく感情的に漫才することで、心の漫才、観客に響く面白い漫才ができるようです。

 

極秘のトリック「知識のドーナツ化」

もう一つ重要な話が「知識のドーナツ化」というものでした。これもまた、「松紳」でも紳助さんが話題に出す、重要なテクニックのようです。今回の講義ではあまり言いたくない秘密のトリックだと言っていました。これから活躍していく芸人にバレてしまうと脅威になってしまうほど、重要で極秘のテクニックなのだそうです。

テレビに出て何かコメントしなければならない時、誰でも知っているありきたりなことを話すと面白くありません。そこで、あえて一つだけ、マイナーなものを突き詰め、そのことを熱心に話すのだそうです。例えば好きな野球選手は誰かと聞かれた時、誰でも知っている有名な選手を語るのではなく、殆どの人が知らない人を話します。すると、マイナーなものを深く知っているということで、「この人は全て知っているのではないか」と聞き手は勘違いし、面白い人だと勘違いするそうです。一つの知識だけで、全ての知識があるように見せるということで、知識のドーナツ化だと言っています。

しかし、話を続けていけば、知識がないことがだんだんバレていきます。そこは、芸人のトーク力を活かし、うまく誤魔化す必要があると言います。有名な野球選手すら知らないことがバレた場合は、「自分の親がその選手のアンチだから、情報を調べてはいけないと教育されてきた」というように、なんとか屁理屈を貫くことで、誤魔化せる上に笑いも生まれるそうです。

 

映像を見て喋る

またこれも重要な話で、「松紳」でも紳助さんが取り上げていたものですが、面白い話をするときは頭の中で映像を見て喋るというものです。事実だろうが、作り話だろうが、頭の中に映像があり、そこに鮮明にイメージが見えています。そのイメージにそって話せば、リアリティを持ってすらすらと話していくことができるようです。高いトーク力を持っている人は、この映像を言葉にするという能力が長けている人かもしれません。

 

おわりに

紳助さんの講義は長いものでしたが、その中でも筆者が心で記憶したものをまとめていきました。他の方が心で記憶されることはまた別のものかもしれないので、実際に動画を見て、紳助さんの生の声を聞くことをお勧めいたします。