【TEDx 高須光聖】松本人志の幼馴染が語る、笑いの特性とは?

高須光聖さんは松本人志さんの幼馴染であり、松本さんを誰よりも近くで見て来た人です。そして、松本人志さんに誘われて、テレビの道へ行き、放送作家になったそうです。「ガキの使いやあらへんで」でも裏方になるだけでなく、演者として登場したり、「松本人志の放送局」でパーソナリティーを勤めています。

彼がTEDxで笑いの特性について、講演を行いました。本記事では、その要点をまとめて行きます。記事では簡単に読めるように重点をまとめますが、筆者のフィルターが通されているため、実際に動画を見て高須さんの言葉で内容を確認することをお勧めいたします。

 

笑いと快感 | 高須 光聖 | TEDxTokyo

笑いは必要か?

放送作家としてお笑い番組に長く関わっていると、「人間に笑いは必要なのか?」という疑問をよく投げかけられるそうです。結論としては、笑いが必要なのかどうかよく分かりません。ただ、言えることは、例えば「一回でも笑ったら裸になる」というルールを決めると我慢してても笑ってしまうというものです。年末には「笑ってはいけない」シリーズが毎年放送されますが、笑ってはいけない、笑ったら罰ゲームがあるというルールだという緊張感があると、笑いが起きてしまいます。人間に笑いが必要かどうかは分かりませんが、笑いというものは抑えきれないほど、人間が欲しているものなのだそうです。

また、笑いが必要かどうか、というのはこの講演の最後の「コンプレックスは笑いのフリになる」というところにつながって来ます。詳しくは後述しますが、様々なネガティブは笑いで回収されて行きます。

 

共感と意外性

笑いが起こるのに重要なものが二つあり、それが、「共感」と「意外性」だそうです。共感というのはいわゆるあるあるネタであり、芸人のトークの内容に共感することができると笑いが起きやすいようです。また、身内ネタやパロディなどもそうでしょう。元ネタが分かり共感することができれば笑えますが、通じなかったら笑いが起きません、笑いにはまず共感が必要のようです。

これは、モノマネでも例えられていました。モノマネの笑いは実は不思議なところがあります。モノマネをして全然似ていなかったら、笑うことができません。桑田佳祐さんのモノマネをするとして、歌が全く似せられなかったら、当然ウケません。それはその辺のおっさんがただ歌っているだけになります。逆に、めちゃくちゃモノマネがうまく、桑田佳祐さんを完全にコピーできたとして、それはそれで笑えないそうです。それはモノマネではなく桑田佳祐さんそのものになります。笑いとは、遠すぎず、近すぎずというちょっとしたズレが必要、離れすぎない共感が必要だとのことです。

もう一つが意外性であり、いわゆる期待の裏切りです。例えば、落とし穴が典型的なそれであるそうです。普通に歩いていくのは期待通りですが、途中で落とし穴に落ち意外な展開になると、面白くて笑ってしまいます。

 

笑いとネガティブは紙一重

以前、笑いと恐怖は紙一重ということで、芸人の怖いコントや怖い漫才をまとめた記事を投稿しました。松本人志さんの「ゾッとする話」という番組もありましたが、怖さをちょっと超えると笑いが生まれます。それと同じように、この講演でも、実はネガティブなものに笑いが潜んでいる、といった話がされていました。

例えば、普通の男性が歩いて来て、「そろそろ散髪に行かないと」と話したところで何も面白くありません。しかし、禿げた男性が歩いて来て、同じように「そろそろ散髪に行かないと」と話すと、なぜか少し面白くなります。このように、ネガティブなものと笑いはとても近いようです。

怖いもの、ネガティブなものと笑いが近いですが、そうしたネガティブなものの中には、コンプレックスというものがあります。そのコンプレックスが、笑いの鍵になるようです。

 

コンプレックスは笑いのフリ

松本人志さんの「笑いの素質とは何か」という記事でも書きましたが、松本さんがいうには芸人とは、外向的な人よりも内向的で根暗な人が多いとのことでした。そのため、芸人というと何も気にせず恥を晒せる人というような印象がありますが、実はその逆で、とても繊細なのだそうです。この高須さんの講演でも、芸人は自分のコンプレックスに敏感なのだと説明されていました。

しかし、ネガティブと笑いが近いように、コンプレックスと笑いも近く、コンプレックスを武器にした瞬間に、強力な笑いが生まれるそうです。コンプレックスは隠したいし、いじられたくないですが、実は笑いにおいてはものすごい可能性を秘めているとのことでした。ただ、コンプレックスをネタにするときに勇気が必要になってくるという話もありました。

また、誰のセリフかは分かりませんが、「笑いは最も平和的に瞬間に人を支配するものでもある」と言われているそうです。つまり、笑いは最強ということでしょう。コンプレックスや怖いことなど、人生には色々ありますが、最終的にはすべて笑いになるし笑いで回収できる。そのように高須さんはいっています。皆さんもコンプレックスに向き合い、笑いに変え、素晴らしい人生に変えてください。そういう言葉で講演は締められます。

 

おわりに

高須さんは長く放送作家をし、近くで芸人を見て来たこともあってか、笑いについてとても研究されていると思います。今回の記事で簡単に内容をまとめました。しかし、実際に本物を見たほうがいいと思うので、TEDxの公式チャンネルのこの動画を見て、高須さんの声で内容を確認することをおすすめ致します。