赤字会社で給料を滞納されたけど、いつか全額支払ってくれるかもしれないという甘い期待

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私は、「次は失敗しないように」と考えて就職活動をしても、なかなか上手くいかないものです。

なんとか、希望の転職先に落ち着いたのは、最初の会社を辞めてから十三ヶ月後の事でした。仕事の内容は、最初の会社と同じ。社員も多くなく、面倒臭い人間関係もない。通勤にも便利。そう思って決めた転職先でした。

しかし、この会社はとんでもない赤字会社だったのです。まず、私が入社した時点で四人いる社員全員に六か月という給料の滞納がありました。この滞納は、数か月してから、社長が個人で持っていた土地を売り、完済する事ができました。

ところが、もう完済後から再び滞納が始まったのです。物を売って、利益を上げていかないといけない会社なのに、まったく売れず。それどころか、仕入先にも支払が滞っており、仕事を取ってきても、仕入が出来ない状況になってしまったのです。

もちろん、私の給料も滞納があっという間に重なっていきました。

「分かっていれば、こんな会社に入社しなかった」後悔しても、後悔先に立たず。

ハローワークの求人票には、その会社の内情までは書いていません。(まあ、六か月も給料が滞納する時点で会社として存在していることが不思議な会社ではあります)大きな会社なら、知る方法もあるかもしれませんが、社員が数人の小さな会社の経済状態を知ることは難しいです。いくら気をつけてもこんなことになるとは思っても見ませんでした。

それでも、「いつか滞納給料を全額くれるかもしれない」という甘い期待と共にこの会社で二年も過ごすことになったのです。さっさと辞めなかった事の後悔が再び私を襲うことになりました。

三十過ぎての再びの転職活動。前よりも、自分の条件は悪くなっています。それでも、給料をくれない会社にいるわけにもいかず、再び転職活動をすることになったのです。

ただ、この会社に勤めていた人たちとは今でも交流があり、仲よくさせてもらっています。滞納給料は、五年経ったいまでも完済はされてはいないものの、「厚生年金を掛けてくれただけ良いと思うしかない」と自分を納得させたのでした。