立ち上がり始めたUSB PDと対応モバイルバッテリー、ACアダプタ

J-Force 26800mAh モバイルバッテリー ポータブル充電器 急速充電 Power Delivery対応 最大60W出力対応 (2ポート 、2.68A出力、USB Type-C (PD対応)) iPhone X/iPhone 8/iPad/MacBook/Android 等対応 JF-268PD60W ブラック 日本メーカー 1年保証

世の中のデジタルガジェットの各種外部インタフェースは、電源供給も含めてどうやらUSBコネクタに集約していく形になりそうです。

しばらく前からスマートフォンの電源供給端子はマイクロUSBが使われていて、今は少しずつ少しずつUSB Type-C形状への移行が始まりだしています。

パソコンはUSB Type-Cへの移行が逆に遅れているガジェットですが、こちらのジャンルもまずは薄型のノートパソコンからUSB Type-Cの浸透が始まっています。

上下どちら向きでも装着可能な便利性はもちろんのことですが、薄型ノートパソコンではUSB Type-A形状のコネクタでも本体の厚さの制約になってしまいますから、Type-Cコネクタの薄さがパソコン自体の設計も楽にする、という事実があります。

そんな状況の中、周辺機器ジャンルでもUSB Type-Cコネクタの採用と合わせUSB PDが立ち上がり始めました。

先日取り上げたAnker製のモバイルバッテリーもそうですが、それ以外の会社からもUSB PD対応製品が登場し始めています。

今回は株式会社フォースメディアが販売する、最大60WのUSB PD出力に対応する大容量モバイルバッテリー、PQIが発売したUSB PD対応のACアダプタ・急速充電器を取り上げます。

また、今ちょっと問題になっているかもしれないUSBのケーブルの状況もまとめてみます。

USB PD対応大容量モバイルバッテリー「世界超速」

株式会社フォースメディアの販売する大容量モバイルバッテリー「世界超速」は、容量26,800mAhの大容量を実現した機種です。

通常持ち運びを考えるタイプのモバイルバッテリーとしては、最大容量クラスと言っていいぐらいの製品になるかもしれません。

一般的なスマートフォンならば、電力の変換効率によるロスを考えても4回とか5回程度のフル充電が視野に入る容量と言えるでしょう。

それに加え世界超速では、最大60Wもの出力を可能にしたUSB PD対応の機能が備わります

電圧出力は5、9、12、15、20V出力の5種類に対応。

20V出力時にも3Aの電流出力を可能にすることで最大60Wの給電に対応しています。

この機能により、スマートフォンだけではなくノートパソコンの充電も十分に視野に入る能力を手にした製品です。

また電流出力能力に余裕があるため、iPhone Xの充電ではバッテリーが空の状態から30分で約50%までの充電を出来る、真の急速充電対応となります。

電流出力のポートは、USB Type-Aを2つ、Type-C形状のものを1つ備えていて、複数の機器の同時充電も可能です。ただ、トータルの電流出力には限りがあるはずですので、どこまで急速充電が可能かは機器の組み合わせにより変化するはずです。

この製品の弱点的なものとしては、モバイルバッテリーとしては重めの本体というところは上げておいた方が良いかもしれません。

しっかりした作りの筐体になっていて、外部からの衝撃による事故は少なそうなのですが、その分と大容量のバッテリーの関係で640gの重量があります。

使う機材との組み合わせをちょっと考えないといけないケースも出てくるかもしれませんね。

ただ、最大60Wの出力はかなりのインパクトがあります。かなり高性能のデスクノートタイプでもこのバッテリーからの出力だけで動かせますから。

PQIのUSB PD対応ACアダプタ

PQIからは最大29W出力のUSB PD対応ACアダプタ・急速充電器である、「Smart i-Charger PD」が登場しています。

こちらは直接コンセントに差し込むタイプのアダプタで、今のデジタルガジェット用にコンセントを「拡張する」イメージで使う製品になるでしょうか。

USB Type-Cコネクタを1つ、Type-Aコネクタを2つ備えています。

USB Type-Aコネクタからの出力は2つ合計で最大12W。1口だけの利用ならば5V/2.4A出力が可能ですので、一般的なスマートフォンの急速充電に対応可能です。

2つの機材を同時充電すると通常速度での充電になります。

Type-Cのコネクタからは、5V/3A、9V/3A、14.5V/2Aの3パターンの給電が可能で、最大29W出力になります。

Type-AとType-Cコネクタの同時利用も可能で、その際は最大41W出力が出来ます。

20V出力、12V出力が省かれていますので対応できる機器は少し減るはずですが、一部のMacBookやiPadの充電も出来るとされています。

専用給電コネクタを採用しているPC向けに変換コネクタが用意されたりすると、汎用のACアダプタとして非常に便利に活用できそうな機種ですね。

重量も131gと軽く、この辺りの適用性が高まれば標準のACアダプタの代用品にもなれそうです。

全てのインタフェースはUSB Type-Cへ

今回取り上げたUSB PD製品で使われる電源供給目的の他にも、USB Type-Cコネクタにはさまざまなインタフェースが集約されようとしています。

さらに高速なデータ転送を実現するUSB3.1、USB3.2ももちろんType-C形状のコネクタを使います。

USB3.1よりももっとデータ転送が高速で、外部にビデオカードを接続することすら視野に入る「Thunderbolt3」インタフェースもUSB Type-C形状のコネクタを利用する形になり、このインタフェースを搭載するパソコンでは、USBとThunderboldの両方が使えるコネクタにすることが多くなっています。

HPのSpectre 13などでも採用されていますね。

加えて、DisplayPortの信号をUSB Type-Cコネクタから出力するオルタネートモードも存在しています。

USB Type-C形状のコネクタはコネクタの向きにかかわらず簡単に差し込みが出来ますし、薄く小さなコネクタに仕上がっていますので、搭載機器を薄くするための設計にも寄与できます。

今考えられるレベルの全てのインタフェースを同じ形状のコネクタに集約できそうですから、デザイン面にも貢献できそうです。

ビジネス用途でまだVGAコネクタが必要なケースも残っているはずではありますが、やはり外見ではUSB Type-Cのシンプルなコネクタ形状の方が、見た目のシンプルさを簡単に出せるでしょう。

色々な面での便利さもあって今後はUSBのインタフェースだけではなく、デジタルガジェットの全ての外部端子はUSB Type-C形状に集約していくのだと思います。

だが…

きちんと統一し切れれば間違いなく極めて便利になるUSB Type-C形状のコネクタですが、残念ながらまだ今は逆に状況が混乱する一因にもなっています。

今が従来のマイクロUSB、USB Type-Aコネクタからの過渡期にある、というやむを得ない事情があるにしても、ユーザーから見れば非常に分かりにくく面倒な状況になってしまっている、というのは事実でしょう。

ネタがケーブルがらみゆえに、まさにケーブルが絡み合ってスパゲッティボール状態、とも言えるかもしれません。

本来さまざまな非互換をなくすためのUSB Type-C周りで、ケーブルやコネクタ関連で互換性がなくなる可能性がある要素はザッとリストアップしただけでもこれぐらいはあります。

  • USBの対応レベル
    コネクタ形状はType-Cだが、USB2.0までしかサポートしないケーブル
  • USB OTG(USBホスト機能)対応
    充電のみ対応でUSB OTGに対応せず、周辺機器がつなげないケーブル
  • Thunderbolt対応の有無
    こちらは実際の製品では確認していませんが、Thunderboltをサポートできるケーブルと出来ないケーブルが恐らくあります。
  • DisplayPort出力対応
    こちらも間違いなく、ディスプレイ出力に対応できるケーブルと出来ないケーブルがあるはずです。
  • USB PD対応
    こちらもケーブルでサポート状況が変化するはずです。大きな電力を通すシステムですので、対応ケーブルでは求められる安全性のレベルが段違いになりますから。

さらにコネクタの形状もType-Cに加えてType-A、マイクロUSBなどが混在し、それぞれの変換コネクタもありますから、まさにカオスと言っていい状況だと思います。

Type-Cコネクタへの移行度が進むに従って少しずつ解消していく内容だとは思うのですが、それでも今の混沌はちょっと酷いです。

一例としては、著者はスマートフォンをコネクタがType-C形状になったXperia XZ Premiumに乗り換えました。

周辺機器を接続したくてUSB OTG対応の変換コネクタを探したのですが、ドコモショップでは取り扱いがなく、そもそも店頭の店員さんはUSB OTGのこと自体を知りませんでした。

地元では他の家電量販店でもUSB OTG対応の変換コネクタはなく、結局Amazonにお願い、のパターンになっています。

もう少しキレイな移行が出来なかったものか、規格化を行なう組織にも製品化を行なうメーカー側にもちょっと考えてもらいたかった部分です。