ビールと共に食すべきはチーズ?ソーセージ?それともこだわりの○○?

さて、ジョッキ片手にもう一方の手には何を持ちましょう?

日本酒ですとマスの一角に塩を一つまみ、それを舐めながらちびりちびりと飲むやり方も有るそうですが、もう少しバラエティに富んだものも味わってみたいものです。

アルコールばかりでは身体への負担も心配ですしね。なにかを食べながらですと、「アルコールが直接胃壁を刺激するのを和らげる」「悪酔いを防ぐ」「肝臓機能を助ける」などの効用があります。

ビールと食事はセットだった

ビールはその発生の時から、アルコール分を楽しむものでもありましたが、単にのどの渇きを癒すものでもありました。

何世紀もの間「貧者の飲み物」として、パンとチーズとビールのセットが普通の食事でした。

ですので現在でもドイツやベルギーなど、ビールの国として長い伝統を持つ人々は、特に意識して何と取り合わせるではなく、いつもの食事時に普通に飲むもの、いわば日本のお茶感覚です。伝統的なドイツのブランチは、小麦ビールとソーセージの取り合わせですし。

例えばベルギーでは

そうは言っても、普段から豊富な種類のビールを飲み分けている人たちには、“どのビール”に“どの料理”の組み合わせに好みが表れます。

ベルギーではこの組み合わせをとても大切にしているので、「ビール料理(Cuisine de la biere)」と言う特別な言葉が生まれたほどです。

いくつか挙げてみましょう。

ゴールデン・エールにはスパイシーチキン、ホワイトビールにはタルティフレット(ジャガイモのチーズグラタン)、レッド・エールには大蒜を効かせた七面鳥ソーセージ、クリーク(ランビックにサクランボを漬け込んだもの)には、苺かチェリーチーズケーキ。1種類のビールに1種類の料理を指定するなかなかの凝りようです。

押さえておくポイント

どのビールにはどんな料理が合うかを科学的に実証しようと“フードペアリング理論”なるものも唱えられています。

ですがその途中経過報告では「似た風味のものが合う」「対照的な風味のものが合う」と一見矛盾した結果が報告されています。

まぁ「お互いの持ち味を殺さない」「その組み合わせで相乗効果が期待できる」かつ家庭で作る場合は、「手軽にできる」でしょうか。

以下は模範例?です。

ウィート・エールのような小麦麦芽使用の軽くてドライなビールには、鶏肉や魚の料理、サラダ、パスタがお勧めです。

炭酸ガス含有量が多めのビールは、口の中をさっぱりさせてくれるので、ステーキや肉の煮込みなどこってりこっくりの料理と相性抜群。

甘くて麦芽風味の効いたビールは、尖った塩味を丸くしてくれるので、炭酸ガスを充分に含んだベルギー産のフルーティーなヴィットビールは、塩気の効いた鮭や鰯料理に打ってつけです。

日本では

明治の文明開化と共にビールがもたらされた日本では、そこまでビールの種類にこだわる人は少数派です。むしろメーカー指定で「取り敢えず生!」ですね。そんな日本ではダントツ1位が枝豆、以下2位焼き鳥、3位唐揚げ、4位ソーセージ、5位餃子と誰もがうなずく結果です。やはり塩と油の相乗効果ですねぇ。

これらの料理をメインに、柿ピー、ポテチ、するめ、チーズタラ、キャンディチーズなどの「乾きモノ」で間を持たせるのが王道。

枝豆はどの世代にも愛されますが、とくに年齢が高くなるほど支持率が上がります。土曜日の夜、扇風機の風にあたりながら畳の上に横になり、枝豆をつまみながらビールをゴクリ、巨人阪神戦のナイター中継を見る。昭和のお父さんの至福の時間だったとか。

日本版至ってお手軽メニュー

日本の皆さんのこだわりメニューを覗いて見ましょう。これなら飲み始めてからでも作れそうと思うものを選びました。

・パスタを半分に折り中温のサラダ油できつね色に揚げます。胡椒、ガーリックソルトをパラパラ振り掛けて出来上がり。

・フランクフルト・ソーセージを焼いてカレー粉をまぶしつけたものと、フライドポテトの盛り合わせ。ドイツ旅行をされた時の思い出の1品だそうですが、1時流行った記憶がありますね。

・次はリーズナブルで手軽な1品

食パンを耳ごとスティック状にカット。フライパンにバターを溶かし、表面がカリっとして来たらウスターソースを少し垂らして、もう一度軽く炒めます。このソースで食感の良さが1段上がります。少々固くなったパンでもOKとのこと。

・次もリーズナブルさでは負けていません

魚肉ソーセージをころころ切りにして、サラダ油で表面がカリっと乾くまで炒めます。塩・胡椒を振り掛ければ出来上がり、アツアツをどうぞ。

・準備に少々時間がかかりますが1度作って見たいもの

ご自身の田舎の郷土料理「鰊の山椒漬け」を懐かしむ方もおられます。身欠き鰊を水で柔らかく戻し、適当に切り分けます。山椒の葉を鰊と鰊の間に挟み込み、醤油・酢・少量の砂糖の漬け汁に10日前後漬け込み、軽く火で炙って食べます。

山椒が手に入らなければ無くても良いとおっしゃっていますが、ここは是非木の芽の香りを楽しみたいもの。新芽が出る4、5月ごろを狙って作ってみてはいかがでしょう。

・溶けないタイプのスライスチーズを適当な大きさに切ります。クッキングシートの上に間を空けて並べ、胡椒を振ってレンジで1分半から2分ほど過熱。カリっとして来れば出来上がりです。

余談ですが、私個人は野菜サラダがお気に入りです。