「PDA」を名乗るデジタルガジェット久々に登場。Gemini PDA

2018年1月27日

INDIEGOGOのGemini PDAのプロジェクトページ

 

スマートフォンの黎明期以前、PDAと呼ばれるデジタルガジェットが一世を風靡したことがありました。PDAはPersonal Digital Assistantの略で、通信以外のスマートフォンの機能をコンパクトにまとめたようなものでした。

日本ではシャープの「電子手帳」などがその先駆けだったと思います。海外では独自の一筆書きによる手書き入力が出来たPalmOS搭載機などが一大勢力でした。

その後、より高機能にすることもでき性能面でもずっと向上した上、ネットワークへの常時接続が可能なスマートフォンが登場して、このジャンルの製品を完全に代替した形になっています。

こういった歴史を知る人たちにはちょっと懐かしい「PDA」というワードを名前に含むデジタルガジェットが登場しそうです。

今回はイギリスのPlanet Computersの手になる「Gemini PDA」を取り上げます。

スマートフォンでもある

Gemini PDAはOSにはスマートフォン用のOSであるAndroidとLinuxを採用していて、1台でデュアルブートが実現されています。利用時にどちらのOSを使うか、その時々で選択可能です。

画面はやや大きめのスマートフォンサイズの6型パネルですが、使うアプリにも依存する部分はあるもののマルチタスクを行なう際には恐らくLinuxを使う方が便利なのではないかと思います。

Androidは基本全てのアプリはフルスクリーンで使うように出来ていますので、複数のアプリをマルチウィンドウで開いて相互に見比べながら作業しやすいようには出来ていません。

Gemini PDAはLTEの通信モジュールや3G、2Gの通信モジュールまで搭載していて、非常に幅広い範囲の電波帯の活用が出来るようになっています。通話も当然OK。

さらにIEEE802.11acの無線LANも搭載しています。

フットプリント的にはちょっと大きめのスマートフォンサイズですが、かなりキーピッチを確保していそうなしっかりしたキーボードが付いているところがGemini PDA最大の特徴です。

クラムシェルタイプの一般的なノートPCのように2つ折りで持ち運ぶことになります。

キーピッチは17~18mmぐらいありそうですね。ある程度のキーはFnキーなどとの同時押しが必要そうではありますが、基本的なアルファベットの入力はかなり快適に行えそうです。

CPUはBigコアが2つ、Littleコアがクロックの高いもの4つ、クロックが低くより消費電力の低いものが4つの、ArmアーキテクチャのCPUとしてもかなりユニークな構造の10コアCPUを搭載しています。

メインメモリは4GB、ストレージは64GBと十分。

ディスプレイは縦横比2:1(18:9)の最近流行の横長ディスプレイを搭載します。解像度は2,160 x 1,080ドットあります。

USBコネクタが二つあるところと、大容量の交換可能なバッテリーを持つところもちょっと特徴的です。

重量は320gとされていて、スマートフォン+かなり軽いBluetoothキーボードぐらいの重量感になるでしょうか。

日本市場にも投入予定あり

予定では日本の技適も取得予定で、日本語対応のかなキーボードも準備されることになっています。本気で日本市場への投入を考えているようです。

元々、UMPCなどの小型デジタルガジェット分野では日本もかなり頑張っていた歴史があり、今でも熱心なファンがいますからね。

LTEの対応バンド数も多くなっているので、SIMロックフリー端末としても面白い存在になるかもしれません。

近日出荷予定

Gemini PDAは2017年のMWCで展示が行なわれたのち、クラウドファンディングのIndiegogoで製造資金調達のプロジェクトが行なわれていました。

無事に資金調達には成功したようで、近々実機が世に出ることになるようです。

SoCはミドルクラスのもののようですが、その他のスペックはかなり頑張っています。さらにしっかりしたキーボードまで備えて、クラウドファンディングの出資額はLTEモデム内蔵機で400ドル弱。かなり頑張った価格になっているように思います。

製品版は500ドルぐらいでの発売となり、日本に入ってくると6万円程度のプライスタグが付くことになるでしょうか。

非常に手軽に持ち運べる物書きマシンの新種として面白い存在になるかもしれませんね。