80gで航空法の制限を受けない超小型ドローンRyze TechのTello
ドローンは誰でも簡単に空撮映像を手にできる面白いガジェットです。その代わり使い方をミスると他人に怪我をさせる恐れもあるデバイスでもあります。
官邸の屋上に墜落したドローンや、お祭りの行列にドローンを墜落させた騒動などもあって、今ではしっかりと航空法の規制の対象になる機材となりました。ドローン向けの傷害保険もサービスが始まっています。
日本では航空法の規制対象となるのは200g以上の重量のある機材ですが、今回取り上げるTelloはわずかに重量80g。規制対象外でDJIストアでも扱われますが、「おもちゃ」扱いの機材となります。
ですが中身の方は結構本格的。開発にDJIの技術も投入されているとされるRyze TechのTelloの中身を見ていきます。
720P対応カメラ搭載
Telloは98mm x 92.5mm x 41mmのコンパクトサイズで、3インチのプロペラ4つで飛行するタイプのドローンです。重量が80gに留まるため、上にも書いたとおり航空法の規制の対象外になります。
カメラは約500万画素のイメージセンサーを持ち、720P動画の撮影も可能です。
操作は専用のアプリをスマートフォンにインストールして、ドローンとスマートフォンを無線LANで接続することで行ないます。
最大飛行距離は100m。飛行時間の方は最大13分となっています。
メーカーでも販売サイトで取り扱うDJIでも室内での飛行を勧めていて、屋外で利用する際には無風状態の中で飛ばすよう明言しています。
おもちゃドローンとしてはかなり優れた飛行性能
TelloにはDJIの飛行安定化技術が取り入れられているとされます。
そして、ドローンの状況を判定するために、インテルのVPU(ビジョン・プロセシング・ユニット)である「Movidius Myriad 2」が使われていることが最大の特徴でしょう。
さすがに価格帯的にGPSなどの位置情報取得用のセンサーはないと思われますが、カメラなどのセンサーを活用することで周囲の状況をある程度把握し、高い精度でのホバリングを可能にした、とのことです。
ただ本体が軽量でローターの出力にも限りがあるでしょうから、やはり安定飛行が可能なのは室内か無風に近い状態に限られるでしょう。
このVPU、Movidius Myriad 2は実は、DJIのドローンのエントリー機でハンドサインによるドローンコントロールを可能にしたSparkにも搭載されていて、その機能実現のためにフル活用されています。
恐らくMavicシリーズの新機種のMavic Airにも搭載されているのではないかと思われます。
飛行の安定化技術と合わせ、VPU使いこなしの技術に関してもDJIからの支援が入っていそうです。
12,800円ながらかなりの高機能機
Telloの価格はちょっと高めのおもちゃドローン、といったレベルでしょうか。税込み12,800円で販売されています。
ですが機能の方は結構な多機能機で手のひらへの着陸が可能だったり、リモコンアプリからの操作で自動飛行して戻ってくるワンタッチフライト機能、スマートフォンとの無線LANによる接続が切れた際には自動で着陸するフェイルセーフ機能も備えています。
プロペラは柔軟な素材出てきていて、加えてプロペラガードも備えることで万が一の怪我への配慮もなされています。
さらにユニークな特色としてはコーディングシステムのScratchに対応していて、Telloの動作のプログラミングを行なうことも可能になっていことが上げられます。色々な人がプログラミングの基礎を学ぶツールにもなれる仕組みです。
カメラのジンバルを備えていませんので、撮影する画像は安定しないでしょうし傾きの補正もかからないはずですが、一番簡単に空撮的な遊びのできるガジェットになってくれるかもしれません。