ラディウスからMMCXコネクタ対応のBluetoothケーブルHC-M100BT
高級イヤフォンで使われるケーブル接続コネクタの規格に「MMCX」というタイプがあります。これは元々は高価なイヤフォンでケーブル断線が起こった際にイヤフォン丸ごとがダメになることを避けるための回避策的なものから始まったのだと思います。
4万円、5万円とかそれ以上の高価なイヤフォンがケーブルのトラブルだけで使えなくなってしまうのは、実際かなり切ないものですよね。
今はこのMMCX規格がより幅広い活用をされるようになっています。その一つがケーブルに機能性を持たせて、イヤフォンの機能拡張用パーツとして利用するやり方です。
そんな方向性の一つがBluetoothレシーバー機能を持たせたケーブルで、今回ご紹介するラディウスのHC-M100BTもその一つです。
お手軽Bluetoothレシーバーケーブル
ラディウスのHC-M100BTはMMCXコネクタを持つイヤフォンを簡単にBluetooth接続で利用できるようにするオプションです。
MMCXコネクタを持つようなイヤフォンは基本かなり高価で高音質な製品が多くなっています。
これに対してHC-M100BTはハイレゾにも対応する高音質のコーデックLDACやaptX HDに対応しておらず、接続するイヤフォンの性能をフルに活かせる構成になっているとは言い切れないスペックになっています。
価格もこのタイプの製品としてはお手頃価格となっていますので、音質面も突き詰めた、と言う形ではなく、MMCXコネクタ対応のイヤフォンを手軽にBluetooth接続でも使いたい、そういった目的にマッチするような製品になっていると思います。
最新の高音質コーデックには対応しませんが、既存のBluetoothの音声コーデックの中では高音質とされるaptXやAACにはしっかりと対応しています。
対応するBluetoothのバージョンは4.1まで。音楽プレイヤーとスマートフォンの両方に同時接続出来るマルチポイント接続に対応しています。
バッテリーでの駆動時間は最大9時間となります。
スマートフォンや音楽プレイヤーのコントロールを行なうリモコン機能、AIアシスタントでの音声検索などが可能な機能も持ちます。
ケーブルトラブル対応だけじゃなくなったMMCX端子
恐らくMMCX端子は、ケーブルトラブルへの対応を目的の一つとして作られた規格だと思います。ですが、今はそれだけではない使われ方をする方が多くなっているように思います。
まず一つは、オーディオの音質面のファインチューニング手法の定番、ケーブル交換による音の変化を楽しむやり方です。
最近まではこの目的のためのケーブルが多数開発されていました。
それプラス、ここに来てイヤフォンの接続周りで注目を集めているのが「バランス接続」です。MMCXコネクタ対応でケーブル交換が可能なことを活かして、ケーブル交換によってアンバランス接続の音もバランス接続の音も両方楽しめるようにした製品も増えています。
またそのバランス接続自体もメーカー独自にスタートした感のある2.5mmの4極端子と、後発ですがJEITAが規格化した4.4mmの5極端子の2種類があるので、この規格の違いをケーブルでカバーすることにもMMCXコネクタによるケーブル交換が利用されるようになりました。
これらの新しいタイプのケーブルや今回取り上げたHC-M100BTのようなBluetoothのレシーバーケーブルの出現によって、改めてMMCXコネクタの存在が見直されてきているように思います。
MMCXコネクタ自体の問題点
実のところMMCXコネクタ周りには少し互換性の問題が残っています。
メーカーの実装によってコネクタの形状が完全に統一されておらず、そっくりな形状なのにキッチリささらない製品が存在するようなのです。
イヤフォンの交換用ケーブルのコネクタとしては半ばスタンダード化した感もあるコネクタですから、今一度キッチリとコネクタ形状の規格化を行ない直して、そのあたりの不安感の解消を図ってほしい気もします。