モバイルバッテリーでも動かせるWi-Fi中継器。エレコム「WTC-1167US」

2019年9月21日

エレコムのWTC-1167USの製品情報ページ

無線LAN、Wi-Fiは電波で通信を行なう都合上、一般的な住宅でも電波が行き渡らない領域が出るケースが多々あります。そういった電波の弱い場所は通信が安定せず通信速度も上がりません。

そういった無線LANの電波の「穴」を埋めるために便利なのがメッシュWi-Fiシステムや、無線LANの中継器です。

無線LANを効率よく利用するためには「アンテナ」もカギの一つになります。効率の良いアンテナなら電波の「穴」も小さくすることが可能です。ですが、その分、アンテナが大きくなり中継器などのサイズにも影響しやすくなります。

エレコムはそういった課題を解決するために高効率のアンテナを内蔵しつつ、非常に薄い本体を実現した無線LAN中継器を開発しました。今回はエレコムの無線LAN中継器「WTC-1167US」を紹介します。

薄型で軽量コンパクト

まずはWTC-1167US最大の特徴から。無線LAN中継器としては非常に薄く場所を取らない作りになっているところです。

幅は約35.6mm、高さが115.6mm、厚さはたったの10.1mm。細長い形状ですが、厚みがないためちょっとしたすき間などに設置することも視野に入りますね。

重量も約40gと軽量です。

省電力

WTC-1167USはACコンセントに直結するようなタイプの中継器ではありません。電源はUSBコネクタから取るタイプです。AC関連の回路が不要になっていてその分もあってコンパクトな本体を実現できたのだと思います。

USBコネクタから給電を受けるため、例えばモバイルバッテリーに直結して中継器を動かすことも可能になっています。しかも必要な電力は5V/1AでOK。非常に省電力な作りです。

こういった仕組みになっているので屋外で利用することも可能ですが、5GHz帯の電波のうちW52とW53のバンドは屋外での利用が禁止されています。この部分には注意を払いましょう。

スペック

WTC-1167USがサポートするWi-Fiの規格はWi-Fi 5まで。それ以外ではIEEE802.11ac、n、a、g、bに対応します。アンテナは2セットで2×2 MIMOの通信が行えます。

2×2 MIMOでの2ストリームの通信が行えますので、最大リンクアップ速度はIEEE802.11acでの867Mbpsになります。

2.4GHzの電波を使うときにはIEEE802.11nの2ストリームでの通信で最大300MHzまでのリンクアップ速度です。

最新の無線LANルータなどで使われる「バンドステアリング」機能や「ビームフォーミング」、「MU-MIMO」の機能をきちんと備えるところも特徴です。より安定した接続を期待できそうです。

アンテナはDXアンテナとの協業

WTC-1167USに内蔵されているアンテナは、アンテナメーカーの老舗DXアンテナとの協業で生み出されたものです。

感度も高く距離が離れた場所でも安定した通信とより高い通信速度を期待できます。

設置をサポートする機能も

中継器は設置場所がルーターに近すぎると、ルーターと反対側に電波が行き渡らない可能性が出てきます。

逆にルーターと中継器が遠すぎると、中継器とルーター間の接続の安定性・通信速度が上がらず、トータルでの通信の安定性が確保しきれなくなります。このため中継器の設置ポイントはしっかり煮詰める必要があります。

この点に関してはWTC-1167USにはディスプレイ等がないため、設置の際にちょっと面倒がありそうな気もします。

ですがWTC-1167USにはシンプルなLEDランプによる表示ではありますが、中継器の設置位置をガイドする仕組みがついています。スマートフォンなどのアプリを使って設定・設置を行なう必要はありません。

価格は税別で7,690円。

安価なタイプの中継器ではありませんが、家の中の無線LAN接続の不安定さに悩むユーザーには一つ面白い解決策になってくれるかもしれません。