超小型ながら30W出力。USB PD対応のACアダプタAnker PowerPort Atom PD 1

2019年9月21日

Anker PowerPort Atom PD 1(PD対応 30W USB-C急速充電器)【GaN (窒化ガリウム) 採用/Power Delivery対応/超コンパクトサイズ 】iPhone XS/XS Max/XR/X、Galaxy S9 / S9+、MacBook、その他USB-C機器対応

USBコネクタを使った電力の供給システムはUSB PDの規格がまとまったことで、少しずつ少しずつそちらに集約していく動きが見え始めました。

ですが過渡期の今は各種の充電規格が入り交じる状態で規格だけでもかなり複雑怪奇な様相を呈しています。対応製品のほうもかなり混乱した状況が生まれています。

状況を悪化させているのは、日本では携帯電話キャリア側がスマートフォンを販売するときにそれぞれの機材が対応する充電規格を、本来の名前で明示的に表示していないのが一因のように思います。

独自の名称で呼ぶのではなく、本来の規格の名称、例えば「Quick Charge」とか「USB PD」とかをしっかり仕様に明記すればもうちょっとこのあたり整理整頓が出来るんじゃないか、そんな風に思います。

さて、ちょっとマクラが長くなりすぎましたが、給電を受ける側のUSB PD対応製品が本格的に動き始めたことで、電力を供給する側の製品の方も少しずつUSB PDに則る製品が増えてきました。

今回はそんな製品の中の一つ、超小型の本体ながら30Wもの出力に対応したAnker製のUSB PD対応ACアダプタを紹介します。製品名は「PowerPort Atom PD 1」です。

サイコロ状

PowerPort Atom PD 1のもっとも大きな特徴はやはりその小ささでしょう。35mm x 41mm x 55mmの中に最大30Wの出力を行える変換回路を詰め込んでしまいました。

対応する電力の出力パターンは、5V3A、9V3A、15V2A、20V1.5Aに対応しています。

電力を受ける側の機材の仕様にも依存しますがモバイルノートパソコンでUSB PDに対応する機材なら、多くの機種がこのACアダプタでの充電が可能だと思われます。

また、起動した状態で充電しながらの稼働も、バッテリーの充電速度は落ちるものの十分に対応できるでしょう。ただ、ハイパワーなPCだとフル稼働させた際にはこのACアダプタから供給出来る電力だけでは消費電力を賄いきれず、バッテリー側の電力も使ってしまう可能性は高くなります。

これだけの高出力をこの小ささにまとめられたのは、パワー系のトランジスタに新素材の窒化ガリウムを使ったパーツが使われているからでしょう。

AnkerのモバイルバッテリーやACアダプターは元々電力の変換効率が高く、フル出力の状態でもあまり温度が上がりません。そういった作りの良さもPowerPort Atom PD 1がこの小ささを実現できた理由の一つだと思います。

ものすごくおおざっぱな判断方法ですが、負荷をかけた際に発する熱の小ささはACアダプターやモバイルバッテリーの製品の出来を判断する基準になり得ます。

もちろん発熱が小さい製品ほどしっかり作り込んである証です。

新しいスマホなどに最適

最新のスマートフォンはUSB PD規格に対応して、従来の急速充電を超えるスピードでの充電が出来るようになっています。

例えばiPhoneなら8以降の機種がUSB PDによる充電に対応しました。これによりより短い時間で充電を終わらせられます。

ただ、一点覚えておいていただきたいのは、どの急速充電の方法でもスマホ側のバッテリーの残り容量が少ない状態では非常に速いスピードで充電が行なわれますが、満充電に近づくと制御が入って充電の速度が落ちていくことです。

このためUSB PD規格に対応しているからと言って、充電中常にフルスピードの充電が行なわれる訳ではありません。

例えば30Wの電力の入力に対応する機材でも、12W入力の時の1/2.5の時間でフルチャージが完了する訳ではないことに注意しておきましょう。

これは主に内蔵バッテリーをできるだけ傷めないようにするための配慮ですね。

大体7割から8割ぐらいまではフルスピードに近い速度で充電されますが、その先はゆっくりと充電するイメージです。

ただ、出かける間際の時間で少しでも多く充電しないといけない、といったケースではとても役立つ特性にはなっています。

Anker PowerPort Atom PD 1はサイズも小さくとても軽いので、スマホを持っての旅行などの際に一緒に持っていくのにもぴったりな製品になってくれるでしょう。