ソニー完全ワイヤレスイヤフォンWF-1000Xシリーズの最新機WF-1000XM3登場
2019年9月21日

ソニーの完全ワイヤレスイヤフォンの上位機種、WF-1000Xシリーズがバージョンアップ。機種名は見た目上、1代飛ばして
WF-1000XM3となっています。
中身の方もそれに沿うような大きな機能・性能アップを実現しています。
今回は名前だけではなく中身の方も先代からのジャンプアップを果たしたソニーの完全ワイヤレスイヤフォン、WF-1000XM3の中身を見てみます。
ノイズキャンセル性能大幅アップ
WF-1000XからWF-1000XM3のバージョンアップでまず取り上げられるポイントは
ノイズキャンセリング性能の大幅な向上です。
先代のWF-1000Xもイヤフォンタイプとしては非常に高いノイズキャンセル性能を持っていましたが、WF-1000XM3はさらに高い能力を持つようになっています。ノイズキャンセリング性能だけを見ると、オーバーヘッドタイプのヘッドフォンWH-1000XM3に匹敵する能力を持つとメーカーは述べています。
このためにWF-1000XM3では外部の音を拾うためのマイクをハウジング内のドライバーの側にもう一つ追加。フィードフォワード+フィードバック制御により、さらに高いノイズキャンセル能力を実現しています。
また、ノイズキャンセル処理用のプロセッサに既存のQN1を完全ワイヤレスイヤフォン向けに再設計した「
QN1e」を準備しました。
これにより
高いノイズキャンセル能力と低消費電力化を実現できました。
接続性の向上
先代のWF-1000Xの弱点としては親機となるスマートフォンや音楽プレイヤーとのBluetoothでの接続の不安定さが挙げられてきました。
多くのユーザーがBluetoothを使っているような通勤時間帯の駅や電車の中などで接続が安定せず、使い勝手上の不満点となっていたようです。
WF-1000XM3はその点を根本的に解決する仕組みを詰め込んでいます。
WF-1000XではスマートフォンなどのBluetooth親機とはイヤーピースの左側が接続、右側には左のピースからデータをリレーして伝送されるカタチになっていました。このため接続性ももう一つ、さらに音声の遅延も大きくなっていました。
これがWF-1000XM3では
両方のイヤーピースが直接スマートフォンと接続するようになります。これによって接続の安定性向上と遅延の短縮が図られました。
こういった仕組みはクアルコム製のチップに組み込まれていて、他社の製品ではその機能を利用する形が多くなっていました。WF-1000XM3はこれとは違い独自開発したチップを使っているとのこと。共同開発を行なったパートナー企業と独占契約を行なったわけではないので、今後同じチップを積んだ他社製品が登場する可能性もあるとか。
非ハイレゾ級
WF-1000XM3で使える
音声コーデックはAACとSBCのみ。LDACやaptX、aptX HDには対応していないのが残念です。消費電力の面では不利になるはずですが、音質面でさらに上を狙えるこれらのコーデックへの対応はなんとか頑張って欲しかったところです。
Bluetooth自体の対応バージョンは5.0になっています。
イヤーピースの全体的なサイズは先代のWF-1000Xと大差なさそうですが、ボディの各所が厚みを増してトータルのボリューム感は増した気がします。
内蔵バッテリーの容量も増しているかもしれませんが、それ以上に各種チップの省電力化が進んだのでしょう。
バッテリー駆動時間はWF-1000Xの3時間から倍増し6時間になりました。
バッテリーを内蔵してイヤーピースを充電可能なケースを併用すれば最大24時間の運用が出来ます。また、10分間の充電で最大90分も再生が可能になります。
イヤーピース自体の形状の工夫で追加のフィンなどがなくても耳へのフィット性は向上しています。大きめのピースの形状から、外見上は耳殻の内側をある程度キレイに埋めるような装着感になりそうです。
実売価格は26,000円程度が想定されています。