あんこ型と強い精神力の突き押しが強みの貴景勝関
貴景勝関のプロフィール
貴景勝関は平成8年8月5日に兵庫県芦屋市に誕生し、現在21歳です。本名は佐藤貴信で、十両力士だった1年前まで本名の佐藤という四股名で相撲を取っていました。貴景勝という四股名の由来は所属する貴乃花部屋のルールから先頭に「貴」の字を取ったものに、戦国時代の武将で有名な上杉謙信の後継者である上杉景勝から「景勝」の2字を取ってつけられたものとされています。
出典:力士プロフィール – 貴景勝 光信 – 日本相撲協会公式サイト
貴景勝関は小学校低学年までは空手を中心に打ち込んできました。その実力は全国大会で2位に入るほどでしたが、それ以降は地元の相撲道場に通う形で相撲に専念することになりました。小学時代に牛丼特盛3杯を食べることをノルマにするなどして相撲に向けた体型作りに励んだのち、中学生の時には地元の強豪校で技術を磨いていき、3年生の時には中学横綱のタイトルを得るほどになりました。
高校時代は相撲の強豪校の1つである埼玉栄高校に相撲留学する形で上京し、そこで実力をさらに磨いていき、3年生の時に世界ジュニア相撲大会の無差別クラスで優勝するなど多くの実績を残すことができました。卒業半年前の平成26年秋場所には、小学生時代に貴乃花部屋のキッツクラブに所属していたことなどが縁となり、平成の大横綱の1人である貴乃花が師匠を務めている貴乃花部屋に入門し、初土俵を踏みました。ちなみに高校は稽古しながら通っていたため、半年後には卒業しています。
貴景勝関は入門後も、この高い実力が活かされた形で番付を上げていき、入門して1年半後には幕下全勝優勝で関取の座を掴み、20歳だった今年の初場所には新入幕を果たしました。入幕後も安定して幕内の番付に定着でき、九州場所には前頭筆頭で11勝の好成績を収めたことにより、来年の初場所には新三役に昇進できる可能性が高くなっています。
かわいい一面もあって人気が高まりつつある貴景勝関
今年に入り、幕内力士として活躍している貴景勝関ですが、「スー女」と呼ばれている女性の相撲ファンやネット上などでかわいいという評判があります。まだ21歳ということもあり、少年のあどけなさが残る顔立ちが一部ファンの中で人気を集めているのだと考えられます。
ちなみに貴景勝関はツイートなど最近のツールを利用して外部に情報を提供していることも人気の高まりに繋がっているのではないかと思われます。
貴景勝関と貴乃花部屋の関係性とは
貴乃花部屋は、第65代横綱貴乃花の父である元大関貴ノ花が約35年前に独立し、この10年後に彼の兄で栃若時代を築いた第45代横綱若乃花が師匠を務めていた二子山部屋を吸収して形成された藤島部屋がルーツになっており、貴乃花が現役を引退して1年ほどたった平成16年2月に部屋を継承する形で誕生した部屋です。この際に、一代年寄名跡を使用したため、部屋の名前が貴乃花部屋に変更されました。
貴乃花部屋には9人の力士が在籍していますが、指導方針に対して独特な面があるなど他の相撲部屋とは異なった環境であることなどから、関取を誕生させるまでにやや時間を有した部屋でした。最初に関取を誕生されたのは今から5年前のことであり、モンゴル出身で現在前頭において活躍している貴ノ岩関でした。
貴景勝関は日本出身として貴乃花部屋で最初に誕生した関取です。この事などから、貴景勝関に対する師匠の期待は大きいものとなっています。例えば、彼につけられた四股名に対して、このようなことが窺えるようになっているのではないかと思います。
先述した通り、貴景勝という四股名は戦国武将の名前から付けられたとされていますが、貴乃花親方が好きな武将が上杉謙信であり、その後継者から名をつけることにより、親方の後を受け継ぐという意味が込められているそうです。また、日本の心意気や誇りを持って相撲に挑んでほしいという願いも込められてつけられたものとされている一面もあります。
貴景勝関の家族構成
貴景勝関の家族には、父親と母親の2人がおり所謂、核家族世帯の家庭で育ったことになります。また兵庫県芦屋市に実家がありますが、この周辺は関西地方でも高級住宅が多くあるなど、ある程度資産を有した家庭が多いという特徴があります。
貴景勝関の場合も東京にある貴乃花部屋のキッツクラブに行くことができたり、地元の私立中学に進学したりした経歴から、ある程度裕福な家庭だったと考えられます。
性格と強みの押しに徹して新三役へ
貴景勝関の強みは角界であんこ型と呼ばれている身長が低く、体重が重い体型を活かした突き押し相撲で、幕内の土俵において決まり手の約半数で押し出しを占めるほどです。特に立ち合いに両手で突き出して、そのまま相手を土俵の外へ出すことを得意としています。
貴景勝関が新三役に昇進できるほどまでに実力を伸ばすことができたのは、この強みだけでなく、精神的な面が強いもあると考えられます。
具体的には横綱や大関といった上位の対戦相手に対してでも、関係なく強い気持ちを持って当たっていける根性や同じ体格・年齢で出世争いを繰り広げている阿武松部屋所属の阿武咲関に対するライバル意識が挙げられます。前者の気持ちが強ければ、ぶれることなく自分の強みを最大限に発揮できる可能性が高くなるうえ、ライバル意識を持てば自然と負けん気が強くなるようになり、実力をさらに高めようという向上心に繋がります。
新三役定着とその先の大関昇進を果たすには
来年に入ると三役の番付で相撲を取ることになる貴景勝関が三役に定着して、さらにその先の大関昇進を果たすには、自分で見つけた課題を日々の稽古で改良して本場所に活かすことが近道ではないかと思います。また、親方の意見として、叩き込みなど引いて勝つ内容や廻しを取ること自体を減して押し相撲に徹する方が良いという内容が数例あげられています。
まとめ
このように、師匠からの期待も大きく、強い気持ちと体格を活かした突き押し相撲で実力を伸ばしていき、次の初場所での三役昇進の可能性が高い貴景勝関は意外にもかわいい一面も兼ね備えている力士です。また、押し相撲に徹するなどの向上心で今後が楽しみな力士の1人と言えると思います。
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