1200年以上の歴史を持つ「茄子」と相性の良い食材とは?

aubergine-1809_640

温帯及び熱帯地方で広く栽培されている茄子は、インドを原産国とするナス科のナス属に属する夏野菜です。

茄子と言えば、スーパーやデパートなどで販売されている定番のセンリョウナスやサファイアナスなどがメジャーですが、京都府伝統の賀茂なすや京山科なす、滋賀県の高月丸なすや杉谷なすなども大変人気が高い品種です。

茄子は5月頃から出回り初め、7月から9月に最盛期を迎えます。特に7月から8月にかけて収穫される茄子は絶品のため、お盆の際のおもてなし料理としてよく用いられます。
しかし、古くから「秋なすび早酒(わささ)の粕につきまぜて、棚におくとも嫁が君に食はすな」という詩が詠まれているほど、秋に収穫される茄子はギュッと実が引き締まっており、種子が含まれておらず、美味しいと言われています。ちなみに秋茄子は10月から11月に収穫されるものではなく、8月下旬から9月の上旬にかけて収穫されるものを指します。

そんな夏から秋にかけて美味しくなる茄子にはいったいどのような健康及び美容効果があり、その効果や効能をより一層引き出すための食べ合わせをご紹介したいと思います。

茄子の優れた健康&美容パワーとは?

インドを原産国とする茄子は、およそ70年余続いた奈良時代に中国から伝来したと言われています。平安時代に記された「延喜式(えんぎしき)」には、茄子の栽培方法や漬物のやり方などが事細かに記述されており、古くから日本人の食生活を支えてきたことが窺えます。

現在茄子は日本各地で栽培が行われており、12月から翌年の6月に旬を迎える冬春茄子は四国にある高知県や熊本県などの温かい地方で栽培されている茄子を表し、7月から11月頃に旬を迎える夏秋茄子は茨城県や群馬県といった関東圏で栽培されているものを指します。

茄子を構成している主な成分は、水分であり、その量は何と9割を超えています。
残りの1割にはビタミンKやカリウム、葉酸などが含有されており、さらに食物繊維もセロリよりも豊富に含まれているので、お通じの改善などに効果的です。

茄子の鮮やかな青紫色の表皮には、ブルーベリーや紫芋などに含有されているアントシアニンの1種「ナスニン」と呼ばれる成分と茄子の灰汁の成分であるクロロゲン酸が含まれており、これら2つのポリフェノールの働きによって、シミやシワ、肌のたるみなどの老化促進を防ぎ、動脈硬化や高血圧などといった生活習慣病や抗がん効果を得ることが可能です。

さらに、茄子にはプロテアーゼインヒビターという抗炎症作用を持つ成分や夏バテ予防に効果的なコリンなどといった有効成分が含まれています。

茄子の優れた効能を引き出す相性の良い食材をご紹介

茄子は油と非常に相性の良い野菜です。そのため、炒め物や揚げ物などにすると「若返りのビタミン」という異名を持つ脂溶性のビタミンEを吸収するため、いつでも若々しく居たい方はビタミンEをたっぷり含む食材と茄子を油で炒めると優れた美容効果を発揮します。
では、茄子と効果及び効能を最大限引き出す食材の組み合わせをご紹介します。

  • 茄子×人参×ほうれん草×カボチャ×ピーマン=美肌効果
  • 茄子×きのこ類×トマト×アサリ×シジミ=肥満防止
  • 茄子×おから×厚揚げ×がんもどき=スタミナアップ
  • 茄子×ピーマン×ブロッコリー×人参=老化予防

茄子の灰汁には抗酸化作用を持つクロロゲン酸が含まれているので、カットした際は酸化を防ぐために水にさらしておくと、えぐみや渋みが取り除かれ、クロロゲン酸の酸化を防ぐことが可能です。また、茄子の表皮に含まれているナスニンを効率良く摂取したい場合は、茄子を漬物にすると良いでしょう。このとき、焼きミョウバンなどを加えて茄子の漬物を作ると、ナスニンが安定するため、ご自宅で茄子の漬物を作っている方は是非お試しください。

茄子は身体を冷やす作用を持つため、冷え性の方や妊娠中及び授乳中の女性は過剰摂取しないようにご注意ください。もし、どうしても茄子を食べたいという方は身体を温める作用を持つ生姜や唐辛子、ネギといった薬味を加えて召し上がると改善されますので、お試しください。